NEWS・加藤シゲアキ「もう少し早く書けていれば」 亡き恩人への思いを明かす
NEWSの加藤シゲアキさん(36)の長編小説『なれのはて』が第170回直木賞の候補作に選ばれました。それを受けて、13日に会見が行われ、亡き恩人への思いを明かしました。 【動画】NEWS・加藤シゲアキ「もう少し早く書けていれば」 亡き恩人への思いを明かす 加藤さんは、2012年に『ピンクとグレー』で作家デビュー。2020年にはマッチングアプリを題材にした『オルタネート』が、直木賞の候補作に選出されていて、今回2度目のノミネートとなりました。 アイドル業と作家業の両立をしている加藤さんは、「僕は新人賞を取って文芸界にデビューしたわけじゃないので、芸能活動をしていた分、横入りをしたような感覚がずっとあった」と葛藤していたといいます。その中で、2021年に直木賞候補作に選ばれた『オルタネート』が多くの人に広まり、その時に温かく迎え入れてくれたことを実感したそうで、「それまでは、タレントで作家をやっているっていう、少し後ろめたさみたいなのはどこかにあったんですけど。実際のところ、多くの方が、そして先輩の作家方が優しく歓迎してくれて、自分が思っているよりも皆さん本当に優しいんだなと思いました」と安堵したことを明かしました。
■恩人・伊集院静さんへの心残り 「もっと早く書けていれば」
また、加藤さんが『オルタネート』で第42回吉川英治文学新人賞を受賞した際、2023年11月に亡くなった伊集院静さんが受賞を喜ぶ姿があり、伊集院さんとの出会いについて聞かれると、「伊集院先生は僕が初めて会った作家の先輩で、まだ作品が2作ほどしかないぐらいの時にたまたまお会いした。すごく応援してくださり、優しい言葉もかけてくださり。その先輩と吉川英治文学新人賞で再びお会いすることができて、その時も“こういう時は素直に喜べ”というお言葉をいただいた」と振り返りました。 しかし、加藤さんには一つ心残りがあるそうで、「(前回の)直木賞候補の時に伊集院先生は僕の作品を推してくださったんですけど、“作品が受賞できなかったのは私の力不足だ”と言わせてしまったことがすごく心残りで、僕の作品の力不足なので、そういうふうに言わせることが本当に悔しかった」と心境を明かしました。 『なれのはて』も伊集院さんに送っていたそうですが、おそらく読める状態ではなかったと悔しい様子を見せ、「この作品に全力で向き合ってきましたけど、もう少し早く書けていれば、読んでいただけたんだろうな。間に合わなかったことが悔しくて、伊集院さんの感想がもう聞けないのかということは本当に心残りですね。ただ、ゆっくり休んでほしいなと思います」と悼みました。