原付にも自転車にもなる画期的なモビリティ!「GFR-02」って一体なに?
自転車としても使える原付!?
2023年にglafitから発売された「GFR-02」は、原付としても自転車としても使用できる画期的なモビリティですが、法規の違うこれらのモビリティの融合は、どのように実現されたのでしょうか。 【画像】原付にも自転車にもなる画期的なモビリティ「GFR-02」を画像で見る(6枚)
ペダルがついていて、自転車のように漕いで進むことのできる原付バイク自体は珍しくありません。むしろ、原付が生まれた当初の姿は「原動機付自転車」という名前の通り、自転車にエンジンを積んだもの。そして最近では小型モーターの普及に伴い、ペダル付き電動バイクが広く普及しています。 ただし、それらはすべて、ペダルを漕いで進んでいる場合も原付に区分されるもの。バイク用ヘルメットの着用や、車道の走行などが求められるため、条件を満たせば歩道も走れる、駐輪場が気軽に使えるといった、自転車のメリットを味わうことはできません。 しかし、GFR-02は特許技術「モビチェン」機能付きモデルを購入することで、走行モードに応じて車両区分を変更することが可能。道路交通法上では、「人力モード」の時は自転車、「EVモード」の時は原付として扱われます。 つまり、自転車モードで停める場合は、放置駐車違反の対象にならないということ。いくら自転車だと言っても、迷惑な路上駐輪は容認できるものではありませんが、通常の原付と比べて駐輪場所の自由度は高いと言えます。 なお、走行モードに拘わらず、道路運送車両法上は常に原動機付自転車として扱われるとの事。任意保険は道路運送車両法上の車両区分に応じて加入するため、原付用の保険に入っていれば問題はなく、自転車用に別で加入する必要はありません。
警察庁の通達によれば、このような構造の切り替えに伴う車両区分の変更が認められるためには、次の2つの要件を満たすことが必要とのこと。 ひとつめの要件は「乗車している者が、クルマが停止していない状態で、EVモードから人力モードに切り替えることができず、かつ人力モードからEVモードに切り替えることができないこと」。モビチェンにおいては、原動機の電源を切った状態で車体後方にあるふたつのスイッチを同時に押すことで、人力/EVモードを切り替える仕組みが採用されています。 そして、ふたつ目の要件は「人力モードは、地方税法及び市町村の条例に基づいて交付された原動機付自転車の標識を表示することができず原動機付自転車として適法に走行させることができない構造であり、かつ、それが明らかな外観となっていること」。モビチェンにおいては、人力モードに切り替える際にナンバーを隠すシャッターが自動で閉まる構造を採用することでこの要件を満たしています。 また、自動でナンバーのシャッターを開閉する都合上、バッテリーが切れた状態での走行モードの切り替えはできません。バッテリー切れの場合はモバイルバッテリーから給電することで、切り替えに必要な電源を確保することが可能です。
ただし、人力モードで走る際には気をつけなければならない点も多々あります。それは道路交通法において定められている「普通自転車」の要件。この要件を満たす自転車のみが歩道を走行することが可能。 要件のなかでは車幅が60cm以内であることが定められていますが、「GFR-02」は左右のミラーがついた状態だとわずかにオーバーするため、人力モードにしても歩道を走ることができません。 歩道を走れるようにするには、左側のミラーを外して車幅を60cm以内にすることが必要。原付において必須とされているミラーは右側のみのため、EVモードで走行する際に付け直す必要はありません。
Peacock Blue K.K.