トリケミカル研究所が「ニッチのニッチ」にこだわる理由
出荷数量増が止まず、トリケミカル研究所の山梨・上野原工業団地に点在する設備は拡張余地がなくなる。増産に向けた今後の計画も注目される(記者撮影)
半導体超微細加工に必要な特殊化学材料を製造販売するトリケミカル研究所(4369)は、直近11月30日に2022年1月期第3四半期決算(2021年2~10月)を発表。8月に上方修正した通期計画の売上高110億円(前期比12.2%増)、営業利益29億5000万円(同9.6%増)、純利益38億8000万円(同14.9%増)に対して、順調な推移だった。 その中で営業利益は第3四半期累計が23億5000万円(前年同期比6.7%)と、通期計画より進捗率が低めだが、第2四半期(2021年2~7月)累計が14億5700万円(同5.8%減)と減益だったところ、第3四半期(2021年8~10月)だけで9億円弱を稼いで増益基調に戻している。 太附聖社長が期初から述べていたとおり「韓国向けが下期に貢献する」のが主因だ。この勢いで、来2023年1月期業績を見通すと、中期経営計画の数値目標を上回る。3カ月後の2022年3月中旬に、来期計画の発表と同時に中期経営計画が増額修正される可能性が膨らむ。 太附社長に「どういう製品に的を絞りながら、アジアの各市場と向き合っているのか」について直撃した。インタビューは山梨県・上野原工業団地にある本社において、10月28日に行った。 株価は、7月20日に2914円で底を打つと下値を切り上げて、三角保ち合いを形成。利益成長の度合いが見極めづらく、上値を追いづらくしているものの、今年4月以来、何度もトライして果たせない4000円復帰が視野に入る。
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古庄 英一