SNS通じ偽の逮捕状 「捜査本部」かたる詐欺で9900万円被害
茨城県警は13日、阿見町の男性(38)が、警察官や検察官をかたる人物から電話と無料通信アプリ「LINE(ライン)」で「保釈金を支払えば逮捕しない」などと告げられ現金9900万円をだまし取られたと発表した。 【写真で見る】検察官を装う人物から「友だち」追加を指示されたアカウント 県警によると、男性は7日、奈良県警の警察官を名乗る人物から携帯電話に「逮捕状が出ている」「(出頭)できないなら検事に代わる」などとする着信を受け、更に同県の検察官を装う人物から「捜査本部」をかたるラインアカウントを「友だち」に追加するよう指示された。 男性は「マネーロンダリング事件に関与した」という趣旨のラインや逮捕状に似た書類の画像、保釈金支払いの指示などを受信し、7~10日に1回当たり200万~1000万円を計14回、指定された口座に振り込んだ。 「財産を全て差し押さえる」と告げられたにもかかわらず、差し押さえを受けず振り込みを指示されたことを不審に思い始めた男性が12日、茨城県警に相談。県警はニセ電話詐欺事件とみて調べる。 県警によると、同様の手口による被害は2024年に入って数件確認されている。県警は「警察がネット交流サービス(SNS)を通じて捜査書類を送ることはない」と注意を呼び掛けている。【斉藤瞳】