QUEEN、松任谷由実も50周年を記念して展覧会を開催

　QUEENの結成50周年を祝う展覧会『QUEEN 50周年展 -DON'T STOP ME NOW-』は、2021年から2022年にかけて東名阪3都市で開催された。映画『ボヘミアン・ラプソディ』を契機に再びQUEENが再評価を受ける中で開催された本展覧会は、未公開写真や貴重な映像、メンバー本人や関係者のコメント、楽器や縁の品々の展示などを通して「QUEENがQUEENであり続ける理由」を紐解いた。映画でも大きな話題を呼んだ伝説的なチャリティーコンサート『Live Aid』以降のQUEENの歩みを感じられる展覧会となっていた。展覧会最終地となった愛知・金山南ビル美術館棟会場では、当会場ならではの魅力として「THE SHOW MUST 轟音（GO ON）上映」と題し、専用シアターでQUEENのライブ上映が行われ、臨場感あふれる映像体験を楽しむことが出来た。また、名古屋で新設された特別展示コーナーには、1975年にQUEENが名古屋に初めて訪れた際に撮影された貴重な写真などが多数掲示。現在もなおライブを精力的に展開するQUEENの歩みが感じられる展覧会となった。 　松任谷由実のデビュー50周年を記念し、東京シティビューにて2022年から2023年にかけて開催された展覧会『YUMING MUSEUM（ユーミン・ミュージアム）』は、松任谷が生まれ育った街、東京を一望できる会場を舞台に、シンガーソングライターとしての松任谷、そして1人の人間としての彼女の魅力に出会える展覧会となった。開催に伴って松任谷が寄せたメッセージには「人生ここらで整理整頓しなくちゃ、データが重すぎて先に進めない。そんなとき持ち上がったこの展覧会の企画。数々の資料やアイテムで、活動の時代、時代を、立体的に再現しました。”ユーミン自らの謎”を解き明かす旅に、どうぞお付き合いください」（※1）と、松任谷自身が自身の人生を一度総括しつつも先へ進むための展覧会であることが示唆される。展覧会ではこれまでほとんど公開されることのなかった彼女によるコレクションや、貴重な資料や映像、直筆のメモなどが展示。松任谷が寄せたコメントにふさわしい、“ユーミンの謎”を解き明かす展覧会となった。 　ここまでは50年にわたるキャリアを迎えたアーティストが開催した展覧会について紹介してきたが、ほかにも今年6月にデビュー46周年を迎えたサザンオールスターズが開催した『いわゆる「サザンについて」展』では、今年刊行された評伝『いわゆる「サザン」について』（水鈴社）と連動する形でサザンの“これまで”と“これから”を辿る展覧会となった。半世紀近くシーンの第一線で活躍し続けるベテランたちの足跡を、耳だけでなく目で見て、手で触れて味わえる展覧会は、ファンにとってもアーティストにとっても貴重な場として、今後もその数を増やし続けることだろう。 ※1：https://yuming.co.jp/information/2022/10/19/7017/