ミドル級賞金トーナメント、プライズファイターの総合イベントプロデューサー深町信治氏（左）と六島ジム枝川孝会長が会見

　英プロモート大手マッチルーム社や楽天チケットなどが開催すると発表していた賞金総額100万ドル（約1億4500万円）のミドル級トーナメント「プライズファイター」の継続開催が暗礁に乗り上げていることが分かった。同トーナメントの深町信治・総合イベントプロデューサー、準決勝進出を決めた日本同級王者国本陸（27）の所属する六島ジムの枝川孝会長が17日、東京・文京区で会見。準決勝以降が開催できない現状を明かした。 【写真】プロデューサー、会長が悲痛の叫び 　同トーナメントは楽天グループの楽天チケットが出資し、スペインを本拠地とするスポーツマネジメントのネバー・セイ・ネバー（NSN）社が事実上の主催者、そしてマッチルーム社が選手との契約やマッチメークを担当していた。3社がパートナーシップ契約を3年間結び、年3回の興行開催を掲げていた。なお3社ともに日本ボクシングコミッション登録の国内ライセンスがないために、大会プロモーターは元WBA世界ライトフライ級王者で渡嘉敷ジム会長の渡嘉敷勝男氏が務めていた。 　マッチルーム社を通じ、1回戦のファイトマネーを受けとったという枝川会長は「継続開催が難しいならば、私は国本陸に大変、申し訳ない。命を懸けて挑んできた彼の気持ちと行動に対して申し訳ない」と謝罪。楽天チケットの梅本悦郎社長とも直接会い、信頼して国本をトーナメントに送り出したという。同会長は「1回目が終わった後、なかなか次回が…。選手もコンディションを作らないといけないわけで。楽天チケットさんからは中止やとも延期ともまったくない。発信がないのが現状です。9月20日、最後に『どうなっていますか』と梅本（悦郎）社長にメッセージを送りましたが、既読にもならないです」と明かした。 　準決勝は当初の10月5日計画が延期となり、その後は11月8日、12月18日と再設定されたこともあり、国本は他興行で試合できない現状が続いていた。枝川会長は「楽天チケットは楽天という日本の大きなグループ。中止するなら中止するで致し方ないかもしれないが、国本に対して準決勝のファイトマネーぐらいは保証してほしい。できれば勝つつもりでいるので（準決勝の勝者ファイトマネー相当の）25万ドル（約3625万円）を支払っていただければ何も言わないです。中止であれば、そうしていただきたい。1週間以内に連絡をください」と楽天チケット側に訴えていた。