富山県入善町の深層水取水管破断、海底の地滑り原因 町が敷設工事協議
能登半島地震の発生後、富山県入善町の海洋深層水取水施設で起きている水温上昇で、町は9日、海底の地滑りにより取水管が破断したと明らかにした。海中の調査で分かった。損傷が激しく修繕は不可能で、町は新たな敷設工事について協議する。 地震発生後、取水温度は通常の2度から14度に上昇した。原因特定のため、町は1月28~29日に入善沖の水深30~400メートルの海域で無人探査機による調査を実施。既設の取水管は水深100メートル付近で破断し、土砂で埋没していたことが判明した。3月に完成予定だった新設の取水管は水深220メートル付近でねじれによって破断し、土砂で埋没。浅い水深の海水を取り込み、上昇につながったとみられる。 町は今後、早期復旧に向け、施工内容や工期を協議する。分水先のパックご飯製造のウーケ(下飯野)は空調の熱交換に深層水を使っており、町は応急措置を検討する。 笹島春人町長は「入善海洋深層水は町の生命線であり、今後のまちづくりに必要不可欠な地域資源。一日も早い復旧に向けて全力で取り組む」などのコメントを出した。