原料はコアラの食べ残し!? 平川動物公園にて発売された、SDGsにも配慮した「平川ZOOオリジナルアウトドアスプレー」について話を聞いてみた
8月3日、平川動物公園(鹿児島県鹿児島市)が動物園だからこそ作れるアウトドアスプレー「平川ZOOオリジナルアウトドアスプレー」を発売しました。 ▼【画像】コアラの食べ残しで作ったスプレーとは? 実際の商品と同園のコアラの様子を見る ボトルに貼られたかわいいコアラのシールが特徴的ですが、スプレーの原料は「コアラの食べ残し」!? どんな商品なのか、詳細を聞きました。
「虫を寄せ付けにくくする」というこのアウトドアスプレーの原料はずばり、コアラが食べ残したユーカリの葉っぱ。 コアラはオーストラリアにのみ生息している有袋目の動物で、他の動物にとっては有毒な成分を含む「ユーカリ」の葉を主食にしています。
実はコアラにはちょっぴりグルメな一面があり、数百種類あるユーカリの中でもごく限られた種類しか口にしません。 さらにそのごく限られたユーカリの中でも新芽を好み、成長した葉はあまり食べないのだそうです。 動物園でコアラを飼育する場合、最大の課題となるのはエサとなるユーカリを複数種、安定して確保すること。 そのため日本国内で最もコアラの飼育頭数が多い平川動物公園では、鹿児島市内や指宿市、種子島にユーカリ畑を持っているのだといいます。 畑ではコアラの担当者が自ら10種類以上のユーカリを栽培し、季節やコアラの好みに合わせて採取を行っているのだとか。 しかし先述の通りコアラにはユーカリの種類や部位に好みがあるため、毎日大量の食べ残しが出てしまいます。 18頭のコアラを飼育している同園によると、コアラ1頭当たりのユーカリ採餌量は1日500グラムほど。園では1日に100キロほどのユーカリを使用し、90キロほどの食べ残しが出ているのが現状なのだそうです。
そこで同園ではこの廃棄ユーカリを有効活用すべく、廃棄ユーカリを使ったアロマスプレーや蒸留水作り体験などのワークショップを開催。 さらに合同会社ルシエルフュゼとユーカリ精油やルームフレグランス、ユーカリバームなどを共同開発し、販売しています。