七尾ナマコ、今年も不漁 初日水揚げ量、例年の1割
七尾市の石崎漁港で7日、底引き網漁船1隻からナマコ12・5キロが水揚げされた。6日の漁解禁後、水揚げは初めてで、初日の水揚げ量としては例年の1割程度と大幅に落ち込んだ。石川県漁協七尾支所によると、昨年に続き海水温が高いことに加え、今年は能登半島地震で漁船が傷み、出漁する船が減ったことが「不漁」の原因とみられる。 石崎漁港では午前2時半過ぎ、前日夕方に出港した漁船「市進丸」が戻り、体長15センチ前後のナマコが詰まった箱をはかりに掛けた。竹内市郎船長(64)は「石に引っ掛かっているのが捕れた。ラッキーだった」と話した。 県漁協七尾支所によると、初日は例年100~200キロが水揚げされるが、ここ数年は数十キロ程度にとどまる。昨年は4隻が出漁し過去最低の5キロだった。 ナマコは水温13度以下で活発に活動する。県水産総合センター(能登町)によると、七尾湾全体の水温は今年7~9月に過去5年平均より1~2度高かった。10月10日には23・4度を観測し、ナマコが岩陰から出てこなかったとみられる。 石崎漁港では、震災で漁船が壊れる被害があり、海底は漁網などが沈み、地形も変わったところがあるという。漁のピークは1~3月で、担当者は「今季は地震で最盛期に出漁できなかった昨季分も合わせて捕れてほしい」と話した。