「いつになったら元の生活に…」 浜松の突風被害から1週間 ほぼ手つかず、住民疲労
浜松市中央区の東名高速道浜松西インターチェンジ(IC)周辺で3日夕に発生した竜巻とみられる突風被害から10日で1週間。被害が大きかった同区湖東町と花川町では、損傷がひどくほぼ手つかずの建物も多い。「いつになったら元の生活に戻れるのか」―。復旧作業を急ぐ住民の表情に疲労がにじむ。
「早くなんとかしたいが、見通しが立たない」。IC近くの湖東町のスプレー菊農家鳥居幹也さん(54)は思い詰めたように不安を口にした。所有するビニールハウス12棟のうち10棟が破損し、自宅は屋根が飛ばされて室内に土砂が散乱したまま。「ハウスは一棟1000万円ほど。保険を利用するために罹災(りさい)証明書を申請したが、全額は補償されない。市からの数万円の災害見舞金ではどうすることもできない」と途方に暮れる。 隣町の花川町で、自宅の外壁と窓ガラスが破損したアルバイト30代女性は「玄関ドアが変形してしまい、窓から出入りしている。防犯面が不安なので仕事を休んで家を守っている」と明かす。「業者に修理費用を見積もってもらったら500万円超だった。ガラスの破片が散乱したままでは子どもが安全に住めない。今まで通りの生活にはいつになったら戻れるのか」と声を落とした。 市のまとめによると、確認された突風による建物被害は少なくとも40件に上り、10日までに30件の罹災証明書の申請を受け付けた。自宅の瓦が剝がれる被害を受けた湖東町の自営業江間祐治さん(63)は「毎日散らかった小屋の片付けに追われている。いつ直せるのかは分からないけれど、前を向いていきたい」と復旧に向けて思いを語った。罹災証明書の問い合わせは中央区役所社会福祉課〈電053(457)2051〉へ。