目が悪い子ども増加中、視力1.0未満の割合が過去最高を更新 スマホ使用・タブレット授業が影響か
文部科学省は2022年度の「学校保健統計調査」の結果を公表しました。その中で「裸眼視力が1.0未満の割合が、小中高校でいずれも過去最高を更新した」ということを明らかにしました。この内容について柳医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
文部科学省が公表した内容とは?
編集部: 文部科学省が公表した学校保健統計調査の内容について教えてください。 柳先生: 学校保健統計調査は、1948年度から毎年実施されています。今回は全国の幼稚園児や小中高校生などから抽出した約320万人を対象に、健康診断の結果から発育や健康状態を調査しています。 学校保健統計調査は例年4~6月におこなわれていましたが、2020~2022年度はコロナ禍の影響で1年間に期間を延長して実施されました。文部科学省は「調査時期が例年と異なるため、単純比較はできない」としています。それを踏まえた上で結果を確認すると、裸眼視力が1.0未満の割合は、過去最高の値を小学校・中学校・高校すべてで更新しています。具体的な数値は、小学生が37.8%(前年度36.87%)、中学生が61.23%(前年度60.66%)、高校生が71.56%(前年度70.81%)となっています。学年別では、小学校1年生が23.20%だったのに対して小学校6年生が53.19%、中学校1年生が55.64%で中学校3年生が65.65%と、学年が上がるにつれて、割合も増加する傾向がみられました。 文部科学省は今回の結果を受けて、「家庭でスマートフォンの利用時間が増加するなど、生徒を取り巻く環境の変化が原因として考えられる」とコメントしています。
今回の発表内容への受け止めは?
編集部: 文部科学省が公表した内容についての受け止めを教えてください。 柳先生: スマートフォンの普及に加えて、学校教育でもタブレットが使われるようになったため、子どもの近視化がさらに加速する環境にあります。今後も注意が必要でしょう。