受刑者が「塀の外」で絶滅危惧種を保全 栃木で全国でも珍しい取り組み実施
刑務所の受刑者が「塀の外」で絶滅危惧種の植物の保全に協力する、全国でも珍しい取り組みが栃木県で行われています。 【映像】草取り作業を行う受刑者たち 日本の固有種で、関東や東海地方の一部の河川のみに生息する絶滅危惧種「カワラノギク」。栃木県さくら市を流れる鬼怒川の河川敷もこの「カワラノギク」の生息地です。 この貴重な生息地を守る草取り作業を行っているのは、喜連川社会復帰促進センターの30~60代の受刑者4人です。受刑者を拘束するような手錠などはありません。周囲では10人ほどの職員が作業を見守ります。 喜連川社会復帰促進センターは、東日本で初の民間企業が運営に参加している刑務所で、初犯での刑期が10年未満の受刑者が収容されています。 2022年から受刑者プログラムにSDGsの達成に向けた取り組みを採用し、その一環で今回は生物多様性を守り、自然環境を保護する社会貢献作業として草取り作業が行われました。こうした作業によって、受刑者でも社会貢献できるという経験が自己肯定感を高め、社会の役に立つ実感が再犯防止や、円滑な社会復帰に繋がることを期待しているということです。 「(『塀の外』に出た感想は?)いつも塀が見えている状態で作業しているが、河原で作業するということで、のびのびした環境の中でできているというのはすごく気持ちがリフレッシュできた」(作業した受刑者) 「(社会貢献した感想は?)どれほどの貢献ができたかは全くわからないが、少しでも皆さんのお役に立てるようなことが今後ともできればいいなと感じている」(作業した受刑者) 除草作業は2024年3月からの新しい取り組みで、喜連川社会復帰促進センターでは今後、地域の公園などでの作業も検討していきたいとしています。(ANNニュース)
ABEMA TIMES編集部