泣く、怒る…5歳のわがままやかんしゃく、どう対応する?【医師監修】
5歳前後のお子さまの口答えや、わがままが気になるという保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。イヤイヤ期とは異なる反抗のしかたに、「早めの反抗期なのかな?」「どう対応すればいいんだろう……」と悩んでしまうこともあるかもしれません。東京医科大学教授で小児科がご専門の山中岳先生にお話を伺いました。 5歳の子どものわがままやかんしゃくの特徴や原因、対応方法についてご紹介します。
監修者
山中 岳 やまなか がく 子どもの心身の成長に向き合う現場を20年以上経験するドクター。経験に加え、日本小児科学会専門医・指導医、日本小児神経学会専門医・指導医、日本てんかん学会専門医・指導医、と数多くの認定資格を所持し、日々、てんかんや熱性けいれんなどのけいれん性疾患、頭痛、発達の遅れ、脳性麻痺など、主に神経疾患の子どもの診察を行う。東京医科大学主任教授としても、次世代の医師の育成に力を入れている。
5歳の子どものわがままやかんしゃくの特徴
5歳の子どものわがままやかんしゃくは、同じくわがままやかんしゃくの多い2~3歳ごろのいわゆる「イヤイヤ期」とは異なった特徴が見られます。 イヤイヤ期は、思いどおりにいかないことがあった場合に、言葉の発達が未熟であるため、泣いたりわめいたり怒ったりと行動・態度で表現することが多いものです。一方、5歳ごろは言語能力も発達しつつあるため、口答えや乱暴な言葉、へ理屈などが多くなる傾向があります。また、弟や妹に理不尽な言いがかりをつけるようなシーンも見られるでしょう。
5歳くらいの子どもが思いどおりにならないと怒ったりわがままを言ったりする原因
5歳の子どものわがままやかんしゃくは、言語能力と自我が発達していく一方で、自己コントロール力がまだ未熟であることが主な原因となっています。 5歳といえば、言語能力が成長し、大人の言うことを理解し、少しずつ自分の気持ちや考えを言葉にできるようになります。また、自我も発達し、自分のやりたいことをやりたい、自分なりのやり方で進めてみたいという自立心も大きくなります。自分なりのルールやこだわりも出てくるでしょう。 しかしながら、まだ5歳。思いとは裏腹に、自分の考えるとおりにはできないこともまだまだ多いもの。思いどおりにいかない事実を目の前にして、ストレスやイライラを感じるものの、うまく切り替えたり、感情をコントロールしたりするのは、まだ5歳にとっては難しいのです。その結果、うまく気持ちのバランスを取ることができず、かんしゃくが出てしまうのです。 【中間反抗期なの?】 5歳ごろに訪れるわがままやかんしゃくの多い時期は「中間反抗期」と呼ばれることもあります。「反抗期」は医学的な言葉ではなく、明確な判断基準がないのですが、2~3歳ごろのイヤイヤ期と、思春期の第二次反抗期との間に位置するため「中間反抗期」と表現されます。 5歳ごろの口答えやわがままなどは、反抗ともとれますが、誰でも通る成長の過程であることをおさえておきましょう。