豪ノ湖7戦全勝で序ノ口優勝「前に出る相撲ができるように」「優勝したんだなとうれしい気持ち」
<大相撲九州場所>◇13日目◇22日◇福岡国際センター 西序ノ口12枚目の豪ノ湖(20=武隈)が、7戦全勝で序ノ口優勝を果たした。西序二段82枚目の霧乃華(荒汐)を寄り切り。立ち合いから左を差し、右も上手を引いて一気に勝負を決める完勝だった。「前に出る相撲ができるようになってきて、よかった。優勝したんだなと、うれしい気持ち。優勝した実感はないです」と、初の各段優勝に照れ笑いを浮かべて話した。 【写真】序ノ口優勝を決めた豪ノ湖 埼玉栄高3年時に高校横綱となり、番付にしこ名が載った昨年春場所から、6勝1敗が3度、5勝2敗が1度と、全勝こそなかったが、4場所連続で大きく勝ち越し、昨年九州場所では西幕下52枚目まで一気に番付を上げた。だが新幕下だった同場所で1勝6敗と壁にぶつかると、今年初場所では四番相撲で大けがを負った。左膝前十字靱帯(じんたい)断裂、半月板損傷、内側側副靱帯損傷。「普通だと1年ぐらいかかるケガ」だったといい、2月に手術し、その後はリハビリ生活が続いた。 春場所からは3場所連続で全休した。序ノ口まで番付を下げた先場所も、6番相撲までは休場していたが、最後に出場して4場所ぶりに白星。同時に前相撲からの仕切り直しは回避し、今場所の序ノ口優勝につなげた。豪ノ湖は、今場所を振り返り「緊張もあったけど、やっと出られるうれしさがあった。負けられないという気持ちは、多少はあった。ホッとした」と、本音を漏らした。 今場所で新十両に昇進した若碇(伊勢ノ海)は埼玉栄高の同級生で、今場所の奮闘ぶりに「強いですね」と、うれしそうに話した。前相撲、序ノ口で敗れ、序二段では雪辱と、同じように番付を上げてきた意識する相手だけに「悔しさはある。今は追いつけるように頑張りたい」と、大きな刺激を受けている。巻き返しを期す来年に向けて「前に出る相撲を心掛けたい」と、師匠の武隈親方(元大関豪栄道)のような取り口を目指していく決意を口にしていた。【高田文太】