〝モチベーター〟日本ハム・新庄剛志に見るSNS時代の監督業「1日24時間じゃ足りない」
【球界ここだけの話】就任3年目の今季にチームを2位に導いた日本ハム・新庄剛志監督（52）。大躍進の要因の一つとして、指揮官自ら「SNSのやり取りかな。ヘヘヘヘ。それは本当に大きなポイントだったと思います」と明かした。 【写真】練習中に加藤貴之に声をかける日本ハム・新庄剛志監督。コミュニケーションは直接対話でも 日本ハムの場合、1軍が北海道、2軍が千葉という距離的な問題もあって、頻繁に行き来はできない。その中で、新庄監督は就任以降、育成選手、外国人選手も含めた全員とインスタグラムのDM（ダイレクトメッセージ）でコンタクトしてきた。 「監督が僕のことも常に見てくれているんだっていうところは、僕たちの時代はなかったから。そんなメッセージが来たら張り切る、張り切る。当時、そうだったらね。だから『もうちょっと、こうした方が早く1軍に上がれるよ』とか『昨日のホームラン、気持ち良かった？』みたいな、やり取りはしていますね。それぞれの性格も分かるんで。やっぱり全員をスターにしたい。それが層の厚さにもつながってくるしね」 「モチベーター」の本領発揮として、SNSは大きな〝武器〟だ。例えば、2軍選手には1軍昇格への明確な目標設定数値とアドバイスを記す。野手なら本塁打数や安打数。早期クリアするためには四球を選んでいる場合ではない。初球から積極的に打ちにいく姿勢が自然と身に付き、また足が速くない選手が意表を突いてセーフティーバントを敢行するなど、結果として多彩な攻撃バリエーションを育んだ。 SNS上で選手と1対1の会話を続けるには、全選手の近況を把握する必要がある。 「だから、ファームの映像を見ないといけないし、セ・リーグの野球も見ないといけないし、ドラフトで誰を取りたいとか、社会人も見ないといけないし。それでね、僕の大好きな大阪桐蔭の西谷浩一監督の作戦も見ないといけないし…。あとはアメリカの『あっ、こういう走塁あるんだ』っていうときは、すぐダビングして五十幡くんに送ってやったりしてますよ。もう1日24時間じゃ足りないですね。でも、それぐらいしないと、やっぱ（チームは）変わっていかないですよ」と話す。 最後に、なぜインスタグラムのDMなのか、と問うと、指揮官は「LINEって、プライベート感ないですか？ インスタだと、なんかちょっと違うんですよ、僕の中では。X（旧ツイッター）はしないんで。Xは孫正義さんしか、フォローしてないかな。すごい尊敬してるんで」と笑った。（東山貴実）
