巨人、中日はシーズン中に“禁断の動き” 勢力図に変化も「同一リーグの捕手トレード列伝」
その石井は、光山がチームに合流した5月18日のヤクルト戦で、5回1死、パーフェクト継続中だった石井一久から貴重な先制ソロを放ち、「オレも頑張っているところを見せたかった。この一発は“光山ホームラン”でしょう」とコメントした。 そして、翌19日のヤクルト戦、近鉄時代以来3年ぶりのスタメンマスクで出場した光山は1打席目から3打席連続安打を放ち、これまた3年ぶりの猛打賞を記録。試合は延長13回の末、サヨナラ負けも、長嶋茂雄監督は「光山は大活躍。いいですよ」と目を細めた。 だが、その後は球団野手ワーストの43打席連続無安打を記録するなど、精彩を欠き、翌00年は村田真、杉山直輝、村田善則の捕手3人体制からはみ出る形で、1軍出場の機会のないままオフに戦力外通告。その後、ロッテと横浜でプレーした。 一方、吉原も同年は中日でわずか7試合出場にとどまり、01年に巨人時代にチームメイトだった柳沢裕一との交換トレードでオリックスへ。どちらも新天地で花を咲かせることができなかった。(文・久保田龍雄) 久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。
久保田龍雄