中村雅俊、デビュー50年「初めて“俺ってよくやってきたな”と思った」
明治座「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」の製作発表会見が5月9日に都内で開催され、座長を務める中村雅俊をはじめ、共演のコロッケ、久本雅美、林翔太、土生瑞穂、小川菜摘、松田悟志、玉野和紀(上演台本・演出・振付)、田中美佐子(特別出演)が出席した。 明治座「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」チラシ画像 こちらの公演は明治座にて6月2日(日) から18日(火) までの日程で行われ、第1部では昭和歌謡音楽劇として、中村の出身地でもある宮城県内の、13年前の東日本大震災で被災したとある町のカフェ&バーを舞台に展開する『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』を上演。第2部では、「ふれあい」、「俺たちの旅」、「恋人も濡れる街角」といったヒットナンバーと明治座ならではの趣向を凝らした演出によるライブ『MASATOSHI NAKAMURA LIVE -look back with smile , look ahead with pride.-』を行う。 芸能生活50周年を迎える中村は「1974年に『われら青春!』という番組でデビューさせていただき、そこからいろんな出会いがあり、ふり返るといい思い出ばかりが残っています。そうした出会いに本当に感謝しています」と感慨深げに語る。 50周年を迎えての心境の変化などを問われると「さすがに30周年の時は“通過点”という気持ちがあったけど50という数字は半世紀じゃないですか。初めて“俺ってよくやってきたな”と思いました。と同時にこの先、意外と短い――限られた時間だからこそ“どう生きていくんだ?”という自問自答は真面目にありました。50年やってきた自分をほめたいところはありますね」と明かした。 コロッケ、久本らは青春時代に中村のドラマを見て大ファンだったとのこと。コロッケは「中学の頃、新聞配達をやっていて、中村さんに憧れて、中村さんが『俺たちの旅』で着ていたフィールドジャケットを買って、下駄もベルボトムのラッパズボンも履いていましたが、“こんなに似合わないんだ……”ってその時、気づきました(苦笑)」と明かし「『俺たちの旅』では、いつも最後に“友だちとは一生付き合っていけるものである”とか言葉が出てくるんですね。青春時代を過ごす中で、教えをいただいたドラマです」と熱い思いを吐露。司会を務めた木佐彩子アナウンサーから、中村のモノマネを懇願されると「それは舞台を見に来ていただかないと」と舞台本番でモノマネを披露することを示唆した。 久本も「高校の時、『俺たちの旅』を見て、最後の言葉を全部書き写してノートにためていました」とコロッケに負けじと中村への“愛”をアピール! 一方、小川は「15の時に中村さん主演の『ゆうひが丘の総理大臣』という番組でデビューしたんですが、そこから何十年も時を経て、またご一緒できるということで、お話をいただいた時は“え? ドッキリ? マネージャーが私を喜ばせるために言ってるの?”と思うくらいびっくりしました(笑)。50周年という雅俊さんの節目の公演に参加できるということで、演劇を続けてきてよかったなと最近、つくづく思っています」と再共演の喜びを口にする。 1991年放送のドラマ『結婚の理想と現実』、92年放送の『しあわせの決断』で中村と夫婦役で共演している田中は「(会見前に)裏でみんなと話していたら、話の内容がジジババ臭くて、ダジャレとか出てて……。“うわぁ、オジサンがよく言うダジャレを誰が言ってるんだろう?”と思ったら雅俊さんでした(笑)。そんな年齢になっているとは……」と茶化しつつ「私もそうなったんだなといまさら実感しました(苦笑)。自分だけ若いつもりでいちゃいかんね(笑)」と自虐を交えて歳月の流れに思いをはせていた。 中村は、故郷を舞台にした第1部の昭和歌謡音楽劇『どこへ時が流れても~俺たちのジュークボックス~』について「文字通り、歌って踊って泣いて笑ってという欲張りな作品です。この顔ぶれを見て、みなさん喜劇と思ってらっしゃると思いますけど、そうでもなくて、ゆで卵みたいに外は白くて喜劇劇だけど、中に入っていくと黄身があって、形を変えた喜劇になっているという。13年前、東日本大震災がありまして、その時、震災と戦った人たちの人間模様が描かれている作品です。絶対にみなさん、楽しめると思うので、ぜひ劇場にお運びください」と呼びかけた。 なお、一部の公演ではアフターイベントとして、中村と縁のある日替わりのゲストも登壇。6月6日(木) の17時公演にはサンドウィッチマン、11日(火) の17時公演では山寺宏一、13日(木) の17時公演では水谷千重子、17日(月) の17時公演には榊原郁恵が登壇することが発表された。 取材・文:黒豆直樹 <公演情報> 明治座「中村雅俊芸能生活50周年記念公演」 公演期間:2024年6月2日(日)~18日(火) 会場:明治座