「久保建英頼み」だったことがレアル・ソシエダの敗因 CL決勝トーナメント4試合を解説
【鎌田大地にも惜しいシーン】 ひとり多いラツィオは欲を言えば、もう1点決めておきたかった。チャンスはないわけではなかった。後半36分、出場機会が回ってきた鎌田大地にも、パスをせず強引にシュートを打ってしまえば......と言いたくなるシーンがあった。 ブックメーカー各社から優勝争いの2番手に推されていたバイエルンは、目新しさのないサッカーに終始した。昨季と代わり映えがしないというか、単調で、柔らかみ、ラテン色に欠ける。 本命に推されているマンチェスター・シティと比較すれば、ベルナルド・シウバ(ポルトガル代表)のような存在がいないのだ。ドイツ代表の問題点をそのまま引きずっているように見える。 マンチェスター・シティはコペンハーゲンに1-3で勝利。1失点は完全なGKのミスで、内容的には0-3だった。PSGやバイエルン、さらにはライプツィヒに0-1で辛勝したレアル・マドリードと比較してみても、頭ひとつ抜けている印象だ。 レアル・マドリードは勝利したものの、チャンスの数では相手に上回られた。ジュード・ベリンガム(イングランド代表)が不在だったことが大きいが、CLの決勝トーナメントの舞台であらためて感じるのは、それ以上にカリム・ベンゼマ(元フランス代表)の抜けた穴が大きいことだ。 CFらしいCFがいない。ロドリゴ(ブラジル代表)、ホセル(スペイン代表)ではだいぶ落ちる。ヴィニシウス・ジュニオール(ブラジル代表)、ベリンガムの2枚看板で、マンチェスター・シティに対抗できるか。攻撃能力の低さがこの先のトーナメントを勝ち抜く上で決定的な問題になるのではないかと見る。
杉山茂樹●文 text by Shigeki