カーチス社長「目先の利益より“生涯顧客”獲得を」、業界全体で、健全な仕組み作りに取り組む好機
それはひとえに、中古車買い取りというビジネスモデルを始めたジャックHLD(カーチスHLDの旧社名)から派生するビジネスに優位性があり、会社として存在意義があるのだろう。 ――中古車業界として信頼を回復させるにはどうすべきですか。 中古車業界の横のつながりが必要だ。業界全体としての動きがまだまだ足りていない。現状は、「業界としてビッグモーター問題にどう対応するべきなのか」「業界がどう変わっていくべきなのか」ということを語る場がない。そういうネットワークはきちんと持つべきだ。
――議論の場を持てたとして、各社首脳でどのようなことを話し合うべきですか。 ビジネスモデルのあり方そのものについて話し合うのがよい。中古車の価値は最終的に価格だけになりかねないが、そこにどれだけ付加価値をつけられるかが重要だ。車という商材から、いろいろなサービスが派生できる。そこは業界の既存企業もそうだし、異業種も含めて何か新しい試みができないかなと考えている。 中古車は古い業界だが、オーナー経営者は代替わりしていく。伊藤忠商事によるビッグモーターの再建が変化のきっかけになる。きちんとネットワークとして組織化することで、もっと健全な仕組みを作れていくだろう。
村松 魁理 :東洋経済 記者