U―23エース・細谷真大「待たせ過ぎちゃった」リーグ出場9戦目で今季1号V弾 柏5戦ぶり勝利貢献
◆明治安田J1リーグ ▽第14節 柏2―1湘南(15日・三協F柏) Jリーグ開幕記念日に熱戦が繰り広げられ、今夏パリ五輪での活躍が期待される柏のU―23日本代表FW・細谷真大(22)が湘南戦で今季リーグ戦初ゴールを決めた。1―1の後半アディショナルタイム(AT)に決め、チームを2―1の勝利に導いた。 雄たけびを上げながら、細谷はゴール裏の柏サポーターのもとへ飛び込んだ。1―1の後半AT1分。右からのクロスをおなか付近でトラップし、ワンバウンドさせたボールを右足で豪快に振り抜いた。出場9戦目で待望の今季リーグ戦初ゴールだ。「待たせ過ぎちゃったので。ホームで勝ててうれしいですし、逆転(勝利)にも意味がある」。チームを5戦ぶりの勝利に導き、ようやく笑顔があふれた。 代表で手にした自信を結果につなげた。U―23アジア杯(カタール)では、準々決勝のカタール戦、準決勝のイラク戦でゴールを決め、パリ五輪切符の獲得と優勝に貢献した。「プレッシャーもあったけど、自分を信じてやれた結果だった」。この試合前までJリーグでは出場8戦無得点。この日も前半44分にはヘディングシュートがバーをたたいたが「ボールは集まっている」と試合中に感覚をさらに研ぎ澄ませた。後半32分に同点ゴールをアシストし、最後の最後に主役に躍り出た。 視察したU―23日本代表の大岩監督も、エースの資質をあらためて高く評価した。注目したのは得点場面だけではなく、それまでに見せていた献身的な守備や何度も裏に抜け出す動きだった。だからこそ「タスクをやった上での得点はご褒美という言い方をするんですけど、しっかり表現していたのでいつかはご褒美が来るんじゃないかな」と大岩監督。その予感は最後に当たった。 1993年5月15日のJリーグ開幕からこの日で31年。01年生まれで新たな時代を生きるエースは「そういう日にホームで勝てたのはすごくうれしい。喜びをもっと分かち合いたいと思うので、もっと点を決めて頑張りたい」。7月のパリ五輪本大会まで、ゴールを量産していく。(後藤 亮太) ◆細谷 真大(ほそや・まお)2001年9月7日、茨城・牛久市生まれ。22歳。柏の下部組織で育ち、U―18所属だった19年にプロデビュー。20年にトップチームに昇格し、21年にJリーグ初得点。22年にレギュラーに定着し、8得点とブレイク。同年Jリーグ・ベストヤングプレーヤー賞受賞。22年東アジアE―1選手権でA代表デビュー。A代表通算6試合1得点。利き足は右。
報知新聞社