石井館長「K-1vs.RISE対抗戦」に“完全決着ルール”提案 両団体代表と立ち技の未来を語り合う
今月17日に開催の『RISE ELDORADO 2024』(東京体育館)と同20日の『K-1 WORLD MAX』(国立代々木競技場第一体育館)で、「K-1vs.RISE対抗戦」が行われるのを目前に控えた6日、RISEの伊藤隆代表、K-1のカルロス菊田プロデューサー、K-1グループのKrushの宮田充プロデューサー、そしてK-1創始者であり初代プロデューサーで先月から「アドバイザー」と復帰した石井和義館長が、格闘技メディアとの意見交換のためのランチミーティングを都内で開催した。 【動画】石井館長、格闘技会見に“乱闘”は必要か議論「朝倉未来さんは新しいシステムを作った」BreakingDown・RIZINとK-1の違いについても言及 会の冒頭、石井館長から「僕がK-1を始めた時(1993年)、ライバルはプロレスとか他の格闘技とかじゃなくて、同時期に生まれたJリーグだと言ったんです。今だったらサッカーはもちろんバスケのBリーグやバレーのVリーグ、野球やラグビーがライバル。K-1はそういうスポーツと並ぶようにしなきゃいけないと思って、アドバイザーとして盛り上げていきたい」と改めてK-1の方向性が説明された。 そのためには何が必要か、メディアから意見に耳を傾けた石井館長や伊藤代表。コアな格闘技ファンに向けては「K-1やRISE以外にも団体が多くて、それぞれにチャンピオンがいるので誰が一番強いか分かりにくい」「ランキングはK-1とRISEを統一にしてもいいのでは」「東日本と西日本の新人王が戦うボクシングのように、若手選手による定期的な対抗戦は盛り上がる」などの意見が上がった。 ライトファンに向けては「そもそもMMAとキックのルールの違いが分かっていない人も多い」「かつてのK-1の藤原紀香さんのようなアイコンが必要」といった意見や、「K-1やRISEの選手がたびたび口にしている『世界で闘いたい』の“世界”が具体的に不明。なぜ自分の団体を『世界一にする』と言わないのか」などの疑問が出たが、石井館長はそれぞれに対して「その視点は大事ですね」「実はそれについては伊藤代表が取り組んでいます」など真摯に答えていき、伊藤代表やカルロスプロデューサーも各団体の取り組みを明かしていった。 特に意見が活発に飛び交ったのが「会見での煽りや乱闘」について。朝倉未来が代表を務める『BreakingDown』が人気を集めるように、会見や試合前の挑発合戦や乱闘はアクセスを集め、格闘技ファン以外にも波及している。一方で、煽りのスキルだけで注目されても試合内容のレベルが低い試合もあり、世間的な格闘技のイメージ悪くしている側面から、コアな格闘技ファンからは不興を買っており、RIZINフライ級チャンピオンの堀口恭司も「ハッキリ言って好きではない」と明言している。 この話題について、石井館長は「結局両方いるんですよ。スポーツとしてのいわゆるキックボクシの部分と、そしてプロの選手としてのいわゆる 発信力のすごさ。必ず2ついるんです」と持論を展開。格闘技で最初に強い発信力を持った選手としてプロボクサーの故モハメド・アリを挙げ「あんなファイターはそれまでいなかった。BreakingDownは選手みんながアリを演じているんです。試合のレベルは高くなくても、それを盛り上げるのがすごく上手なんです」とパフォーマンスの必要性に理解を示した。 しかし「競技として相手をリスペクトする気持ちが足りない」と指摘。BreakingDownの溝口勇児COOと会談し「一生懸命にトレーニングして、努力することの大切さを出したほうが認められるんじゃないかと話しました」と助言していたことを明かした。 その後も、各選手のセルフプロデュースの重要性や、インフルエンサーを巻き込んだプロモーションなど、さまざまなテーマが議論された。最後には「K-1とRISEの対抗戦は、KO決着かダウンを取った方が判定勝ち、ダウンを取れなかったら全部ドローでいいんじゃない?」と完全決着に近いルールを提案した石井館長。伊藤代表とカルロスPは明言は避けたが、2週間後に迫ったRISEとK-1のビッグマッチで実現するのか。