NHK「エール」二階堂ふみ 朝ドラヒロイン選考の難しさ
2020年前期の窪田正孝主演NHK連続テレビ小説「エール」のヒロインが二階堂ふみに決まり、3日に発表された。2802人が参加したオーディションを勝ち抜いたという。同作で窪田演じる作曲家・古山裕一は、古関裕而(こせき・ゆうじ)氏がモデル。全国高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」をはじめ、数多くの応援歌・行進曲の作曲を手がけた。二階堂はその妻となる関内音を演じる。音のモデルは、古関氏の妻で声楽家としても知られた古関金子さん。結果的にW主演と言っていいほど知名度も文句なしのキャスティングだが、それだけにネット上には「最近の朝ドラは有名女優ばかり」との声も出ている。朝ドラヒロイン選考には、難しさがつきまとうようだ。
「オーディションはガチ」ただし水面下で安全策も?
二階堂がヒロインと発表され、「本当にオーディションで決めたの?」との声が一部上がったが、過去、多数のオーディションに携わってきた芸能プロダクションの50代男性事業部長A氏に話を聞くと「基本、ガチですよ」とキッパリ。最初から決まっているなら、「花子とアン」の吉高由里子や「ひよっこ」の有村架純のように、オーディションを開かず決定した旨をそのまま発表すればいいだけのことだという。A氏は続ける。 「ただし、新人を集めたオーディションでの取れ高にすべて賭けるのは危険なので、実績ある事務所からの参加も求めます。その中から、暫定での配役構成などイメージは事前に固めるとは思います。ただ、本当にドラマ関係者が『この新人はすごい』という人材が見つかれば新人の起用もあるでしょう。朝ドラは撮影期間も長く、実績など非常に慎重に審査するはず。弊社にもオーディション案内は来ましたが、今回は該当者が見当たらずエントリーしませんでした。スケジュールをいじれるかどうかもあるので、各事務所もかなり慎重にエントリーは考えられるかと思います」 また、別の大手芸能プロダクションに所属したことがあり、現在はフリーで活動する俳優のB氏はこう語る。 「事務所に在籍していた頃、オーディションの案内がきたらしく、『お前いけ』と上から言われて朝ドラの書類審査に提出したことがあります。自己PR欄にビッシリ書き込むタイプでした。だけど結局、面接には呼ばれませんでした。書類の段階でかなり精査しているはず。最終的に選ばれたのは、すでに売れている役者さんでした」 やはりさすがに天下の朝ドラ、「出来レース」はないようだ。NHKの説明通り、「力強さ、情熱があふれ、恋多き女性を演じるのは」二階堂がふさわしいということだろう。