『虎に翼』の生理の描写で気づいた、自分の「偏った先入観」。女性の身体の現実を正面から描く作品たちに、しんどい気持ちが軽くなる!
初経を迎えてからおよそ40年もの間、お付き合いしていくことになる生理。みなさんは、いつが一番しんどいですか……? 来る前? 1日目? やっぱり、経血量が多い3日目? それぞれ、思い浮かべる時期は異なるはず。女性同士でもすべてを分かり合える人はいないし、なんなら自分のこともよく分からなかったりしませんか? 【虎に翼・名場面】生理の重い寅子(伊藤沙莉)に足のツボを教えるよね(土居志央梨)の所作が「目に焼き付けたい美しさ」と話題に(ほか、写真4枚) わたしは、生理前の方が症状がひどいタイプ。なので、睡眠薬を飲んだのか? というくらいに眠気が襲ってきたり、永遠にお腹が減ったり、些細なことでイライラするようになってきたら、「そろそろだなぁ」と21cmの羽なしナプキンを装着して、いつ来てもいいように準備を整えるのですが、まったくしんどくない月もあったりするんです。一致させてくれたら、こちらもそれなりの対策が取れるのに! 今月は、1日目がしんどいなぁとか。3日目がだるいわぁとか。排卵前のお腹の張りがすごいとか。同じ人間なのに、毎月症状がちがうからむずかしい! また、こんなに体調を振り回されるのに、話題にしづらい風潮があるのがしんどいですよね。以前よりはオープンに語れる雰囲気になってきましたが、職場で「いま生理なんで、ちょっとイライラしちゃうかもです!」なんて宣言するのははばかられる。「大人なんだからさぁ」とか、思われそうで。 ただ、何ごともないかのように仕事をしていても、実は苦しんでいる女性がいることは知ってほしい! 痛みやしんどさは人によってちがいますが、ずっと経血が流れているわけで。まったく気にならないわ~っていう人はいないはず。 最近は、映画やドラマで生理を取り上げる作品が増えているので、ありがたいです。とくに、現在放送中の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)が生理痛のしんどさを描いたのには、驚かされました。 同作のヒロイン・寅子(伊藤沙莉)は、四日間も学校を休むほど生理が重い。ちなみに、時代設定は昭和8年です。わたしがまず思ったのは、「この頃にも、生理が重い人はいたんだ」ということ。そして、知らず知らずのうちに偏った先入観を押し付けられていたことに気づき、ゾワっとしました。 90年代後半生まれのわたしは、「“最近の子は”生理が重くて大変ね」とか、「“昔は”生理くらいで休む子なんていなかったのに」などと言われながら、育ってきました。だから、食生活とかが関係しているのかな? なんて、自分のなかで解釈をして、甘えだとか思われないようにしなくちゃ! と追い込んできたけれど、いつの時代だってしんどいものはしんどいんですよね。
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