<春はばたく>第93回センバツ注目選手紹介/5 スタミナ、キレ増し 石田隼都投手(東海大相模・2年)
◇石田隼都(はやと)投手(東海大相模・2年) 握っては投げ、また握っては投げ――。昨夏、大阪桐蔭との甲子園交流試合で披露した非常に速いテンポの投球は鮮烈だった。先発起用された左腕は強豪の打線を自分のペースに引きずり込み、7回2失点と好投。チームは敗れたが、目の肥えたファンをうならせた。 182センチの長身から投げ込む最速142キロの直球と縦に割れるスライダーが大きな武器。新チームでは、門馬監督が「石田が中心」と公言する存在だ。 しかし、昨秋は壁にぶつかった。関東大会準々決勝の東海大甲府(山梨)戦で先発したが、1点リードの九回に突然、制球を乱して逆転負け。疲労から球が浮いたところを痛打された。明らかな敗因に「最後まで投げきれる力が欲しい」と、冬の間は走り込みを中心に体力強化に努めた。鍛え上げた下半身を手にすると、スタミナだけでなく球のキレも増したという。 性格も典型的な負けず嫌い。グラウンドを10周するランニングメニューでも、「誰にも負けたくない」と常にトップを目指す。待ち望んでいたセンバツまで残り1カ月に迫った。目指すのはもちろん、頂点だけだ。【岸本悠】=つづく