米メディアも村田世界奪取を「5か月前と別ファイト」「再戦で圧倒」と報道
WBA世界ミドル級タイトルマッチが22日、東京の両国国技館で行われ、同級1位の村田諒太(帝拳)が、王者、アッサン・エンダム(フランス)に7回終了時点でTKO勝ちし新王者となった。 村田と、エンダムは、5月20日に有明コロシアムで行われたWBA世界ミドル級王座決定戦で対戦したが、村田は1-2の不可解な判定で敗れ、ジャッジ2人が処分を受け、WBA会長がダイレクトリマッチを指令するなど、全米でも再戦の行方が話題になってきた。 この試合は、アメリカ東海岸の早朝からスポーツ専門局のESPNで生中継され、ESPNの解説者は、「村田は、前回と違って終始、アグレッシブだ」と中継中に繰り返した。 ボクシング専門ウェブサイトの「ボクシングシーン・ドット・コム」は、「村田はエンダムとの再戦で圧倒し、7回で戦いを辞めさせた」という見出しで新王者誕生の瞬間を伝えた。 同記事は、「ムラタはエンダムとの再戦では、ジャッジの判定が勝敗の要因にならないように入念に戦った」と、試合の様子を伝えた。 「エンダムの勝利で議論を引き起こしてから5カ月後、日本のスターは7回でエンダムをテクニカルノックアウトし、前回の敗戦の復讐を果たした。31歳の村田は、より攻撃的で、終始、効果的なファイターだった。エンダムに何度か右をヒットさせて、ふらつかせた」と、描写した。 さらに「7回は完全なワンサイドになり、エンダムを続行するべきではないと納得させるもので、村田は苦も無く勝利した」と、エンダムがギブアップしたのも仕方がないとしhた。 「オープニングのベルから村田は、5カ月前の最初の試合とは全く別のファイトだった。5カ月前は村田が勝利したかのように見えたが、2人のジャッジがエンダム勝利とした」と、あの不可解な判定の一戦とは、村田のファイティングスタイルが大きく変わったことも強調した。 ボクシング専門ウェブサイトの「イースト・サイド・ボクシング」も、「7回で村田がエンダムをストップさせ、WBAミドル級のベルトを勝ち取った」というタイトルで報じた。 「ロンドン五輪金メダリストの村田は、経験のあるチャンピオンを圧倒していた。様々なバラエティのある強いショットがヒットした。7回にはエンダムを肉体的にも、精神的にも参らせ、エンダムは、もうこれ以上は望まずにギブアップした」と伝えた。 さらに「村田は、最近のボクシング界のトレンドとも言える、ファイト数が少ないのにチャンピオンになった一人である。村田がタイトルの初防衛で誰と戦うのかは興味深い」と、14戦目で世界王者となったキャリアの短さと、来春に予定されている初防衛戦のマッチメイクを話題にした。 その村田の次の相手が誰になるのか、について同ウェブサイトは次のような予測もしている。 「この日本のファイターは、これまでにも米国で戦ったことがある。もしかしたら、彼は再び米国で戦うことを望んでいるのかもしれない。そして、ダニエル・ジェイコブス対ルイス・アリアスの勝者か、ビリー・ジョー・サンダースとデイビット・レミューの勝者らと対戦できればおもしろくなる可能性がある」 11月11日に予定されている前WBA世界ミドル級王者、ダニエル・ジェイコブス対ルイス・アリアス戦の勝者、12月18日に予定されているWBO世界ミドル級王者、サンダースが敵地カナダに乗り込んで行うレミューとの防衛戦の勝者との対戦を村田の楽しみなカードとしてピックアップした。 そして、「エンダムは浮き沈みのあるファイターだが、彼は、この日の負けから復活する方法を見つけるかもしれない」と、エンダムの再起を期待して記事を結んだ。 また、「ボクシングニュース・アンド・ビューズ・ドットコム」は、「村田はエンダムをKOし、まさにリベンジを果たした」という見出しをつけた。 同記事は、「村田は鋭くジャブを繰り出し、ファイトが進むにつれて右でも打ち出した」とし、試合の動画も併せて掲載し、この日の村田のファイトを伝えた。 村田は、来夏にはチャンピオンとして全米で再デビューする計画が練られており、本場のミドル級戦線のニューウエーブとして注目を集めそうだ。