占いサイト詐欺被害「年間2000件超」出会い系サイト“下火”で業者が移行か… 悩みにつけこむ「高額搾取」の“悪質手口”
「実際に」「個別に」占ってもらえば立証は難しい
被害に遭った場合、振り込んだ“鑑定料”は取り戻せるのか。各種詐欺被害の救済に強い佐久間大地弁護士はこう語る。 「占いサイト詐欺の場合、取り戻せる可能性はあります。ただ、支払い方法によって、取り戻しやすさの傾向があります。 もっとも取り戻しやすいのはクレジットカードで支払った場合で、「業者側もクレジットカード会社や決済代行会社に目を付けられたくないので、返金の割合を比較的高く提示してきます」 同じ理由で「ネットライドキャッシュ」などの電子マネーも決済代行会社が間に入ることがあり、返金割合が高い場合が多いという。 一方、銀行振り込みは分が悪く、「協力を要請する先がなく、業者との交渉が決裂した場合に取れる手段が少ない。業者側もそれが分かっているので返金割合を低く提示してきます」(同前)。 ただし、佐久間弁護士はいずれの決済方法でも「全額の返金は難しい」といい、被害金を返金させるために、 “証拠”を取っておくことの重要性を強調する。 「支払った額が分かるもの、銀行振り込みの明細やクレジットカード決済の明細は必要です。詐欺を働いた相手の特定につながります。また、詐欺だと判断してもらうために文面のスクリーンショットも必要です。なるべく初回鑑定からの一連の流れがあったほうがよいでしょう」 なお、「一度でも“実際に” “個別に”鑑定してもらった場合」は詐欺とみなされない場合もあるため注意が必要だ。 「逆に、サイト内で複数のユーザーに対して同じような文言が届いている場合は、『実際には占いをしていないのに、占いをしているかのように見せている』として、不法行為にあたり得ると思います」(佐久間弁護士)
占い師が確実に存在しているのか調べて
前出の鬼島氏は、詐欺サイト・占い師について、「超能力者のように振る舞い、占いは未来を変える力がある、と強調してきます。また、周囲に他言しないようにとも求めてきます。自分がこれから占ってもらおうとしている相手は“存在しているのか”、 SNSなどで事前に調べてみるべきでしょう」とアドバイスする。 佐久間弁護士も「利用しようとしているサイトについて事前に調べることが、詐欺被害に遭わないためには重要かと思います。被害が出ているサイトであれば、情報が出てくることが多いです。また、『この文言を送れ』等と無意味な数字や言葉を執拗に送るよう指示してくる場合は、『おかしい』と考えたほうがよいでしょう」と助言する。 仕事や生活、将来のことなどを占ってもらいたい場合、まずはサイトや占い師の真偽を“鑑定”する目が必要ということだろう。
榎園哲哉