大ブレークの予感…阪神の若武者に「吉田正尚2世」の高評価が
外野の両翼でスタメン出場の準備
一軍デビューを飾った昨季は33試合に出場、打率.255、7打点をマーク。6月に月間打率.358をマークし、7月以降は相手バッテリーの警戒が強まったことで快音が聞かれなくなった。8月2日に登録抹消以降は体調不良で実戦から遠ざかったが、大きな一歩を踏み出したことは間違いない。得点圏打率.409と勝負強さを発揮。戸郷翔征(巨人)に4打数2安打で打率.500、高橋宏斗(中日)に6打数3安打で打率.500、トレバー・バウアー(DeNA)に5打数2安打で打率.400と各球団のエースに強かったことも強いインパクトを残した。 外野は左翼がシェルドン・ノイジー、右翼は森下翔太がレギュラーの最有力候補だが、完全に固まっているわけではない。前川は本職が右翼だが、今年の春季キャンプでは左翼で練習を積み重ねていた。外野の両翼でスタメン出場する準備は整えている。 まだ20歳だが、レギュラーを獲得するのに早すぎる年齢ではない。阪神OBで「ミスタータイガース」の掛布雅之氏は高卒3年目の76年に122試合出場で打率.325、27本塁打、83打点をマーク。初の規定打席に到達し、ベストナインを初受賞した。阪神は大山悠輔、佐藤輝明、近本光司と大卒、社会人出身の選手が活躍しているが、高卒野手のスター選手が久しく現れていない。岡本和真(巨人)、村上宗隆(ヤクルト)、万波中正(日本ハム)と他球団で高卒の強打者が打線の柱になっている。前川も阪神に不可欠な選手になれるか――。 写真=BBM
週刊ベースボール