郷土感じる料亭に 富山県南砺市の旧井波美術館で15日オープン、県産食材や工芸品活用
富山県砺波市表町の日本料理店「食堂633(ろくざんさ)」が15日、南砺市の旧井波美術館を活用した料亭として移転オープンする。県産食材を生かしたコース料理を提供するだけでなく、食器などに県内各地の伝統工芸品を採用。店主の水上喜貴さん(42)は「伝統を取り入れつつ、地域に愛される店を目指したい」と話す。 砺波市中野出身の水上さんは高校卒業後に料理人を志し、京都の祇園などで約10年修業した。2014年に「食堂633」を開業し、妻の智美さん(33)とともに営んできた。昨年秋、旧井波美術館の利活用計画を進めていた団体から移転の打診があり、移住者や新規開業者が増えている井波地域に店を構え、刺激を受けたいと承諾した。 店名は「施膳 ろくざんさ From INAMI」。コース料理は全9品で、里いもの葉を乾燥させて作る「いもじ」や、くず米ともち米を混ぜ団子状にした「だご」など砺波地方の郷土料理を盛り込む。米の炊き方にもこだわり、かつて同地方で使われたもみ殻を燃料とする鉄製のかまど「ねかべっつい」を使う。
食器カバーや釜敷きには高岡市福岡地域の「越中福岡の菅笠振興会」が制作した菅笠を採用。お膳には井波彫刻を施したものや庄川挽物(ひきもの)を使う。水上さんは「井波や富山を感じることができる場所にしたい。夫婦で頑張る」と話す。 店は事前予約制で水曜定休。コースの開始時間は午後6時、同6時半、同7時から選べる。料金は1万3200円(サービス料別)。問い合わせは同店、電話090(7480)8111。