今シーズン最強の台風11号と厳暑の関係 残暑まだ続く 熱帯擾乱発生しやすい状況も
台風シーズン 熱帯擾乱が発生しやすい状況続く
8月もそうでしたが、9月もチベット高気圧の勢力は、特に大陸華中や朝鮮半島付近で強く、偏西風は日本付近で平年より北を流れるでしょう。偏西風は、日本の東で流れが壊れやすく、南偏する見込みです。このため、日本の東の海上から南の海上で大規模な低気圧が形成されます。この大規模な低気圧は、南西モンスーンと太平洋高気圧の縁に沿って吹く東風が合流し、大きな低圧部による風の渦、いわゆるモンスーンジャイアです。モンスーンジャイアの中では、小さい規模の渦が発生して、台風など熱帯擾乱が発生しやすい傾向があります。 大気の流れは、8月前半に台風が次々に発生した時の状況とよく似ており、10月に入る頃にかけて、大きく変わらないでしょう。台風シーズンが続きます。 たとえ台風が発生しなくても、南の海上の熱帯擾乱により、日本付近に暖かく湿った空気が流れ込むことがあるでしょう。局地的な大雨になることも考えられます。 日頃から、ハザードマップで避難経路の確認など、台風や大雨への備えをしておくとよいでしょう。
日本気象協会 本社 白石 圭子