巨人 愛情あふれる師弟関係が話題 好漢・亀井コーチからも復活が期待される「育成の星」
V奪回を目指す巨人ではし烈な外野手争いがくり広げられている。 左翼は昨年ブレイクした秋広優人を筆頭に、ベテランの丸佳浩も腕をぶす。育成出身、阿部慎之助監督肝入りのエスタミー・ウレーニャもパワーは認められているだけに面白い存在となりそうだ。 また〝俺もいる!〟とばかりに存在感を示したのは松原聖弥にもある。2月7日に行われた実戦形式のシート打撃ではいきなりマルチ安打をマークと阿部監督や首脳陣が見守る中、アピールを果たした。 胸に期す思いもある。松原といえば、育成出身。2021年には135試合に出場、打率・274、12本塁打、27試合連続安打と球団歴代2位タイの記録を作るなど、新たな安打製造機、「育成の星」として注目を集めた。 翌年は亀井善行氏(現外野守備走塁コーチ)が引退したことに伴い、伝統のある背番号「9」を引き継いだ。しかし、ここ2年は低迷、昨年はノーヒットと背番号もわずか1年ではく奪されてしまった。 足も使え、一発もある。堅守で知られる松原がセンターラインを固められれば、チームが求める1、2番候補にも合致する。昨年ノーヒットと低迷しながら若手に交じって1軍キャンプスタートも首脳陣が期待を寄せるからこそ、ともいえる。 そんな中、メッセージを送ったのが自身の背番号を譲った亀井コーチだった。 2月8日の第2クール終了後、自身のインスタグラムを更新。キャンプ地を訪れた球団OBで名捕手で知られた野球評論家の村田真一氏、俊足好打で知られた清水隆行氏と自身、さらには松原が横一列に並んだ4ショットをアップしたのだ。 写真に込められた意図は明確だった。この4人の共通点は全員が「背番号9」をつけてプレーしたことがある点。 亀井コーチは「歴代背番号9集合」とコメントし、「松原聖弥君9取り戻せ 3人とも応援してますよ」と心温まるメッセージを送ったのだ。 亀井コーチと松原といえば、同氏の引退セレモニー時には背番号を譲ることになった後輩に対し「あんたは天才だから」と褒めた上で、続けて「もうちょっとだけ頭使っていけよ!」と愛情を込めて、叱咤激励したことも知られている。その師弟関係をファンも知るだけに、今回の亀井コーチのメッセージにはSNS上でファンからも「松原君ならできる!」「亀井コーチ、素敵すぎる!」「応援してます」と松原の復活を期待するとともに両者の関係性をたたえる声があふれた。 松原といえば、身体能力の高さは認められながら、打撃では積極性の反動でボール球を振らされることがウイークポイントとされていた。配球含め「野球脳」を高めることが求められていたとあって、キャンプ、オープン戦で課題をいかに克服できるかも目指すスタメンには大事なポイントとなりそうだ。 一番の激戦区とされる外野手争いで生き残ることができるか。応援してくれる人のためにも背番号「59」から意地を見せたい。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]