警察なのか泥棒なのか…韓国警察、押収した現金の管理がずさん過ぎて横領事件が相次いでいた
韓国で現場の警察官らが犯罪捜査の際に押収した現金を別の警察官らが横領する事件が最近になって次々と発覚している。一連の事態を受け韓国警察庁が実態の把握を進めたところ、押収物の管理があまりにずさんだったことが7日までに分かった。 【写真】盗まれた「置き配」荷物、監視カメラに写った犯人の正体に驚がく
韓国警察庁が10月18-25日に全国の地方警察を対象に押収物管理の実態を調査したところ、物品を押収しながら刑事司法情報システム(KICS)に7日以上登録しなかった事例が3万2300件(全8万3850件の38.5%)に達していた。警察関係者は「この期間は押収物が事実上の主人なし状態で放置され、何の制止もなく横領できる状態だった」と説明した。 犯罪容疑者が使用した商品券を押収しながらこれを紛失したケースや、押収物リストと実際の押収物の数が一致しない管理不十分のケースも5件あった。その中には押収した現金の額が実際と異なって記載された事例もあったという。一連の問題が発生した理由について現場担当者らは「紙幣計数機がなく手で現金を数えたため発生したミス」と説明しているという。 今回の調査で明らかになった幾つかの事例を確認したところ、押収物に接近できる警察官とこれを管理する警察官の「総体的モラルハザード」があまりにひどいとの指摘も相次いでいる。まず押収物保管室のパスワードを複数の警察官が把握している事例があった。今年5月に不法賭博現場から押収した3400万ウォン(約380万円)相当の現金を全羅南道警察庁莞島警察署所属の警衛(警部補に相当)が横領したが、この警衛は証拠物保管室のパスワードを同僚の警察官から簡単に聞き出すことができたという。その後現金を横領するため偽札を押収物封筒に入れ、規則に反した形で封印したという。ソウル竜山警察署では10月16日、押収した現金を横領しようとした刑事と所属する警衛が摘発された。彼らも現金を横領した後に通常のコピー用紙を紙幣のサイズに切って封筒に入れようとしたところ摘発された。 デジタル・ドア・ロックが設置されていない場所では通常の鍵や錠前のかかった部屋で現金が保管されるが、その鍵などの管理もあまりにずさんだった。ソウル江南警察署では、過去に押収物管理担当として勤務していた犯罪予防対応課所属の警察官が先月14日に押収した現金を横領した。この警察官は別の部署に異動になっていたが、押収物担当だったときに知った鍵の保管場所から鍵を持ち出して現金を盗み出していた。 ク・アモ記者