「まさか開発中止?」スクエニ大幅減益と特損221億円でファンが戦々恐々とする「ドラクエの日」
『ドラゴンクエスト』(以下、ドラクエ)、『ファイナルファンタジー』(以下、FF)などの名作ゲームタイトルを抱えるスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)が5月13日に’24年3月期の連結決算を発表し、純利益が前期比69.7%減となったことが明らかになった。 【たったこれだけ?】「ドラクエの日」に発表された『ドラクエⅫ』の最新情報 同社では併せて今期から’27年3月期にかけての新中期経営計画も発表し、「さらなる成長に向けた再起動の3年間」として、デジタルエンタテインメント事業の開発体制の最適化など、「『確かな面白さ』をお届けする『量から質』への転換」を表明している。だが、大幅減益を受けて14日の東京市場では同社の株価が急落し、一時はストップ安をつけるなど波紋を呼んだ。 半月前にすでに〝フラグ〟は出ていた。4月30日にスクエニは’24年3月期に約221億円の特別損失を計上することを発表していたのだ。決算での大幅減益の最大の要因はこの特別損失だった。 特別損失の理由は、「環境の変化を考慮し、開発リソースの選択と集中を図る」ためにいくつかの進めていたゲームの開発を中止、これまでにかかった制作費などを損失として計上したからだという。発表では開発を中止したゲームのタイトルや本数は発表されていなかったのだが、SNSでは約221億円という巨額の制作費から、「ドラクエが開発中止?」と心配する声が相次いだのだ。 「『ドラゴンクエスト』シリーズのリリーススパンは、これまでは『X』から『Ⅺ』などの5年が最長でした。しかし『Ⅺ』がリリースされた’17年7月からすでに7年近くが経過しています。それにもかかわらず『Ⅻ』に関する情報が’21年の『ドラクエの日』(毎年5月27日、スクエニが1986年に第1作が発売されたことを記念する日)に発表されて以降、全くないのです。 今作は作曲家のすぎやまこういち氏や漫画家の鳥山明氏が最後に関わった作品だともいわれており、楽しみに待っているファンは多い。 さらに4月中旬にはドラクエシリーズを担当していたプロデューサーが次回作の開発遅延により異動させられたという報道もあったことが、ファンの不安心理をさらに搔き立てることとなったようです」(エンタメ誌ライター) ここ数年、「ドラクエの日」には同シリーズに関する重大発表が行われることから、ファンは今年は何が発表されるのか戦々恐々としているという。 メディアコンテンツ研究家の黒川文雄氏によると、特別損失の計上から新中期経営計画発表に至る流れは昨年6月に桐生隆司氏が新社長に就任したことが背景にあると語る。 「桐生さんが着任したときの株主への挨拶の中で、現在持っているリソースの見直しと、新たな体制構築について語っていました。今回の新中期経営計画でも『量から質へ(枝葉タイトルから本質へ)』と打ち出しています。松田前社長は10年という長い任期だったので、前任者たちが遺したものを精査して〝大清算〟したのが、特別損失221億円なのだと思います」 では、開発中止となったタイトルは何なのか。また『ドラクエⅫ』はちゃんと発売されるのだろうか。 「ここ数年売れているアクションRPGゲーム『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』や、『FF』関連タイトル、『ドラクエ』のスピンオフタイトルなどが開発中止になったのではないかと見ています。だいたい1タイトルの開発には3~5年の期間と30~40億円の費用がかかるんです。221億という数字を考えると、最低でも4~5タイトル止まっていても不思議はないですね。もしくは途中まで作ったものを一旦止めて、もう1回作り直すということもあるかもしれません。 ’10年にサービスがスタートした『FF XIV』は、ベータ版テストのときからクオリティが良くないという批判がありました。そこで新たに就任したプロデューサーが担当になって、全部作り直したんですよ。すでにサービスを開始していたので、サービスを継続しながら全面的に作り直して、再度ローンチしたという例がありました。でも、その結果『FF XⅣ』は持ち直して、スクエニの売り上げを支える屋台骨になったんです。 そういったことを過去にはスクエニさんはやっているので、今回も途中まで作ったけど全部一旦やめて、また新しく作り直します、という可能性はあります」(黒川氏) では、5月27日の「ドラクエの日」にはどんな重大発表があると考えられるのだろうか。 「おそらく、今回の発表では新しいプロデュースの体制も含めてスクエニさんから発表があると思います。前述の『FF XⅣ』と同じように、プロデューサー、組織ごと大きく変更します…という発表になるのではないでしょうか。想像ですが、経験豊富なベテラン・プロデューサーが担当することになるのではないかと思います。 ですので、むしろドラクエの日は、期待の日になるのではないでしょうか。プロデューサー自らが、『ユーザーの皆さんの期待に応えるためにさらに作り込みをしますので、発売日がいついつになります、もしくは発売までもうちょっとお時間をいただきたい』というようなことを言うかもしれないですね。僕の想像ですが。でも、もちろん普通に『発売日は○月×日です』と発表するパターンだってありえます」(同前) ドラクエファンにとって良いニュースが届くことを期待したい。 ※「FRIDAYデジタル」では、皆様からの情報提供・タレコミをお待ちしています。下記の情報提供フォームまたは公式Xまで情報をお寄せ下さい。 情報提供フォーム:https://friday.kodansha.co.jp/tips 公式X:https://twitter.com/FRIDAY_twit
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