【R-1グランプリ】今夜決戦!芸歴制限なくなり激戦必至、キーワードは「プラス1分」
ピン芸日本一決定戦『明治プロビオヨーグルトR-1presents R-1グランプリ2024』がきょう9日、カンテレ・フジテレビ系で生放送(後6:30~)され、22代目王者が決定する。今大会からレギュレーションが改正され、優勝争いはし烈を極める。ベテラン、若手、アマチュアまで入り交じるなか、爆笑&ドリームを“独占”するのは誰か、分析したい。 【動画】独り占めに夢がある!『R‐1』熱いプロモーションムービー レギュレーション変更で反響を呼んだのが、芸歴制限の撤廃。『R-1』では2021年大会から芸歴10年目以内の縛りを設け、ゆりやんレトリィバァ(21年)、お見送り芸人しんいち(22年)、田津原理音(23年)が優勝するなど、近年は若手スター発掘を重視してきた。そうした中で、若手のネタのレベルが上がり、多様化するなか、ベテラン勢との再激突を期待する声に応える形で、真のピン芸人No.1決定戦へと生まれ変わった。 結果として、史上最多5457人がエントリーし、2018年大会の過去最多記録(3795人)を大幅に更新した。 さらに、準々決勝、準決勝、決勝のネタ時間が3分→4分に延びた。これは2011年大会以来のことで、予選全体のレベルが上がる中にあっても「“プラス1分”が実力差に表れた」とする感想も多く聞かれた。勢いや知名度だけでは乗り切れず、構成力、修正力などが必要となり、予選段階で審査は激戦となった。 そして今夜のファイナルには(1)真輝志、(2)ルシファー吉岡、(3)街裏ぴんく、(4)kento fukaya、(5)寺田寛明、(6)サツマカワRPG、(7)吉住、(8)トンツカタンお抹茶、(9)どくさいスイッチ企画(※出番順)が出場する。 (1)真輝志(初)29歳・吉本興業・芸歴10年目 (2)ルシファー吉岡(4年ぶり6回目)44歳・マセキ芸能社・芸歴16年目 (3)街裏ぴんく(初)39歳・トゥインクル・コーポレーション・芸歴20年目 (4)kento fukaya(2年ぶり3回目)34歳・吉本興業・芸歴13年目 (5)寺田寛明(4年連続4回目)33歳・マセキ芸能社・芸歴11年目 (6)サツマカワRPG(3年連続3回目)33歳・ケイダッシュステージ・芸歴12年目 (7)吉住(2年ぶり3回目)34歳・プロダクション人力舎・芸歴9年目 (8)トンツカタンお抹茶(初)34歳・プロダクション人力舎・芸歴11年目 (9)どくさいスイッチ企画(初)36歳・アマチュア ※カッコ内は決勝進出回数 真輝志はコンビ「きんめ鯛」として関西で活躍後、ピン芸人に転身。ファイナリスト最年少で、1番手から勢い全開で頂点まで駆け上がるか。続くルシファー吉岡は、9人の中で最も『R-1』決勝経験が豊富で、変化自在のネタで会場の空気をつかみ、レギュレーション改正で手にした“6度目のチャンス”に挑む。そして、“ウソ漫談”がお笑いファンから高く評価されてきた芸歴20年・街裏ぴんくがついに『R-1』決勝に登場する。芸歴制限の撤廃だけでなく、ネタ時間4分も味方にして、アッと言わせてくれそうだ。 4番手のkento fukayaも大阪から優勝を狙うピン芸職人で、フリップなどに自ら描くシュールな笑いを、磨き上げてきた。4月に東京進出が控え、ブレイクに向けて勝負のステージとなる。寺田は、場を問わない巧みなワードセンスで4年連続の決勝進出を果たし、3度目の正直ならぬ“4度目の正直”にかける。3年連続決勝のサツマカワRPGは、ギャグから漫談まで予測不能なネタに期待がかかる。 後半に入り、『女芸人No.1決定戦 THE W 2020』優勝者の吉住が登場する。毒のある人物コントはドラマ性もあり、吉住ワールドで魅了してくれそう。トンツカタンお抹茶はトリオ「トンツカタン」から、今回は単身ステージに立つ。普段グループとして活動する中では唯一のファイナリストとあって、何が飛び出すか。そして、大注目はアマチュアのどくさいスイッチ企画で、一般知名度があるとはいえないが、落語からキャリアをスタートし『全日本アマチュア芸人No.1決定戦2023』を制した腕で、前評判も高い。 『M-1グランプリ』『キングオブコント』と並び立つ3大賞レースにあって、「R-1には夢がない」とネタにもされた。しかし歴史をひもとけば、初代王者のだいたひかるをはじめ、博多華丸・大吉ブレイクの足がかりとなった博多華丸、なだぎ武の連覇、近年ではハリウッドザコシショウ、濱田祐太郎、ゆりやんらを輩出し、霜降り明星・粗品やマヂカルラブリー・野田クリスタルの2冠など“未知なる笑い”を追求してきた。 今回もファイナリスト9人の多くが、地上波ゴールデンタイムおなじみの顔では決してない。それぞれが、芸歴制限撤廃の激戦を勝ち上がり、決勝ではネタ時間プラス「1分」の4分間、テレビ画面を独占することになる。浮き上がってくるキーワードは「1」だ。 公式プロモーションムービーでは、「一番原始的で、一番手軽で、一番難しい笑い」「一人で戦い、一人で傷つき、一人で喜び、一人で悩む。ならば、何もかも独り占めしてやれ」と呼びかける。その追加された「プラス1分」こそが勝負のカギを握りそうだ。