卒業前にもう原動力 J1アビスパ福岡の重見柾斗「まだまだできる」未経験のポジションにも適応
ルーキーながら開幕から2試合連続で先発出場するJ1アビスパ福岡の重見柾斗(22)が「大学生」として最後に迎えるホーム2連戦で成長した姿を見せる。1―0で勝利した前節のアウェー横浜M戦では紺野の決勝ゴールをアシストした即戦力ボランチは、3月いっぱいまでは福岡大4年生。「まだまだできると思っているんで。守備も攻撃も。プレーのクオリティーを上げて、ミスを減らせるし、チャンスも増やせる」と再び勝利の原動力になる活躍を誓った。 ■「肩が壊れてもいいや」城後のロングスロー【写真】 5日はホーム湘南戦(9日午後3時キックオフ、ベスト電器スタジアム)に向けた練習を公開。シュート練習ではループで決めるなど好調をアピールし、「もっとボールに関わる回数を増やして、前への意識を高めていきたいと思ってます」と2試合連続の得点関与に意欲を見せた。 横浜M戦ではフル出場。得点シーンではボールを自ら運んでパスを供給、自らは左サイドに抜け出して前のパスを受けて紺野にクロスを送った。「ヒロ君(前)だったら(ボールを自分に)出してくれるかなと思って走ったら、本当にいいボールが来た」とあうんの呼吸を誇った。 福岡の特別指定選手だった昨季はアマ登録の正真正銘の大学生として公式戦7試合に出場。リーグ戦で前ともボランチのコンビを組み、「常に2人がパスがつなげる距離感でいようっていうのは話しています」と昨季の経験が生きている。 後半途中の松岡の投入後はボランチから1列前のシャドーストライカーにポジションを変えて攻守に貢献。「あの時に初めてやったんで、びっくりしました。自分が下がりすぎて、全体が押されるっていうことあったんですけど、後ろのユザ君(湯沢)や(井上)聖也君がコーチングしてくれて、コーチや監督の指示を聞きながらうまく修正できました」。福岡では紅白戦や練習試合でも経験がなかったという役割を託したところに長谷部監督の期待と信頼がうかがえる。 湘南戦と翌週のFC東京戦(16日午後1時キックオフ、ベスト電器スタジアム)は今春の「卒業生」をピッチに招いて選手とハイタッチするイベントを開催。卒業を迎える「大学生ボランチ」がチームを高みに導く。(向吉三郎)
西日本新聞社