中学校のグラウンドが使えない!理由は市が進める「小中一貫校」の建設 工事の音で授業が中断!?学校生活への影響に保護者から懸念の声も
工事中は近くの高校や小学校のグラウンドを使用
『グラウンドが使えなくなる』このことを中学生はどう感じているのでしょうか。実際に聞いてみると… 「グラウンドが使えなくなって移動すると思うんですけど、その移動時間で(体育などの)授業する時間が減ったりするのも嫌やなと思います」 「行事とか勉強ができなくなってくる部分があるかもしれないのがこわいです。悲しいし、不安が一番大きいです」 工事中は近くの高校や小学校のグラウンドを使うため、授業や部活の時間が減るのではと心配します。 では、実際に中学校と高校のグラウンドはどれほど離れているのか。取材班が歩いてみました。中学校のすぐ近くにある信号のない横断歩道を2か所わたり、用水路沿いを歩くこと約400m。高校に到着しました。結果、約5分半かかりました。
“工事の音”も学校生活に影響?「授業が途切れることもある」
工事が始まって2か月が経った今年4月上旬。中学校を訪れると、着々と工事が進められていました。そして、新たな問題も。 (記者リポート)「重機の音がよく聞こえます」 工事現場と校舎との距離は、最も近いところでわずか2mしか離れていません。授業への影響はないのでしょうか。取材班が測定器を使って測ってみました。 (記者リポート)「音の大きさが75デシベルを超えました」 75デシベルとはどれほどの大きさなのか。教室の様子を再現してみたところ、机のすぐ横でシュレッダーをかけた時、75デシベルを計測しました。中学生たちに工事の音について聞くと… 「結構気になります。そのせいで授業が途切れることもあります」 「(工事現場から)人の声も聞こえる。こーしろ、あーしろ、みたいな。結構大声で」
「子どものことを考えた工事のやり方とは思えない」
こうした状況を一番心配するのは、やはり保護者です。今年1月に市が開いた「小中一貫校」計画についての説明会は、工事の進め方に問題があると紛糾しました。 (出席者)「子どもたちは工事の音を聞きに行っているみたいなもんじゃないですか。子どものことを考えた工事のやり方というふうには誰も思えないと思う」 (出席者)「3年間全くグラウンドのない中学校、児童期から大人へと変わる成長の3年間、そういう環境で育ちます。この子らの気持ちを思うといたたまれません」 来年中学生になる息子を持つ荻野さんも思いをぶつけました。 (荻野慎介さん)「この説明会をしたからこれで終わりだという感じで進められているのは非常に気になります。一番は子どもたちの声をもっと聞いてほしい」 (宇治市の担当者)「子どもたちにとってよい教育環境にしていくというところが大前提としてあると考えていますので、そういった整備になるように皆さんの声を聞かせていただきながら、考えていけることは調整を引き続きしてまいりたいと考えております」 説明会は、予定時間を約1時間延長。しかし、保護者らが納得する回答は得られませんでした。 (荻野慎介さん)「なかなかあの説明会だと、親が言って、市が検討しますと述べ、親がこれはどうですか?と聞くと、市がそれは今分かりませんとか、そういうことの繰り返しで、ちゃんとした回答がなかなか返ってこない。やり取りが、“キャッチボール”がほしいなと思うんですけど、(言葉のキャッチボールが)足りないなとすごく思います」