甘エビ不漁、10年で8割減 北海道留萌管内沖の稚エビ激減、原因不明
かつて道内産のエビの7割を占めた甘エビ(ホッコクアカエビ)の漁獲量が10年で約8割減少し、年間500トンを割り込む事態となっている。ボタンエビなどに比べ甘エビの不漁は顕著で、エビ全体に占める割合は5割に低下。主産地の留萌管内の落ち込みが大きく、道立総合研究機構中央水試(後志管内余市町)が漁場を調査しているが原因は分からず、資源回復の見通しは立っていない。 【動画】春間近 知床峠で除雪作業 道の水産統計によると、甘エビの漁獲量は2013年に2047トンだったが、直近の22年は465トンで、23%に減った。甘エビの激減が響き、道内のエビ全体の漁獲量も10年で7割減少。統計はまだまとまっていないが、23年も同様の傾向が続いているという。 道内の主な漁場は、留萌管内の羽幌・苫前町沖の「武蔵堆」と呼ばれる、海底が比較的浅くなっている場所と周辺。道内の6~7割を占める同管内の漁獲量は、13年の1454トンから22年は286トンと20%程度にまで落ち込んだ。 中央水試は不漁の兆しが見え始めた11年から、武蔵堆などで調査を続けているが、ここ数年は明らかに稚エビの数が年々減っているという。一方、水質の悪化や目立った水温上昇、潮流の変化などは、現時点では確認されていない。