【ラグビー】FLジュロン、LOメアフーがケガ。フランス代表にとっても、トゥールーズにとっても厳しい冬になりそうだ
欧州チャンピオンズカップのプール予選をトゥールーズが1位で通過、勝ち進めば準決勝までをホームで戦う権利を獲得した。 今季開幕後は17人の選手がワールドカップ(以下、W杯)で不在、チーム作りに時間がかかった。 そのためトップ14ではアウェーで勝つことができず、なかなか順位を上げることができなかったが、12月に始まったチャンピオンズカップでは、まるで全員が一つの意思で動いているかのようにノールックパス、オフロードパス、時にはキックも使い、次から次へとボールを繋ぐ、トゥールーズのラグビーが見られるようになった。 ウエールズのカーディフに52-7(12月10日)、イングランドのハーレクインズには47-19(12月18日)、アイルランドのアルスターにも48-24(1月14日)といずれの試合も7トライを決め、すべてボーナスポイント付きで勝利した。 最終戦はイングランドのプレミアシップで現在3位のバースをホームに迎え撃った(1月22日)。 フェーズを重ねながら70メートルを前進し、最後はLOエマニュエル・メアフーが3人のディフェンスをなぎ倒してインゴールに押し入り、開始6分でトゥールーズが先制した。 その3分後には敵陣でペナルティーを得たアントワンヌ・デュポンが素早くボールを持って駆け出し、キックで転がした。それに反応してボールに追いついたトマ・ラモスが足に引っ掛け敵をかわしてインゴールでボールを押さえ、12-0とリードした。 しかし、その後バースも反撃する。 トゥールーズのゴール前ラインアウトからモールを作り、PRベノ・オバノが素早く持ち出してトライ。オバノにはスクラムでも苦しめられる。 24分にはもう1人のPRトーマス・デュトイにトライを許し、12-12と同点になった。 28分にはトゥールーズが敵ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、ペナルティトライを得るが、前半終了間際に、再びトゥールーズのゴール前ラインアウトからバースがボールを回し、CTBオリー・ローレンスがタックルを受けて倒れながらもインゴールに手を伸ばしてトライ。 19-19と再び同点にして前半を終了した。 後半はバースが攻める時間帯が続いた。 バースが2度、トゥールーズのゴールラインを脅かす。しかし2度とも身体を滑り込ませてセーブした。 トゥールーズにチャンスが訪れたのは67分だった。 敵陣22メートルでのスクラムからFLフランソワ・クロスが持ち出しCTBピタ・アキにパス。アキがディフェンスに身体を当てポイントを作る。デュポンが素早くボールを出しCTBソフィアンヌ・ギトゥーンヌへ。ギトゥーンヌから内に返してラモスへ。 最後は大外で待っていたWTBフアン=クルス・マリーアへロングパスで繋ぎ、そのままゴールへ一直線に走り、24-19とリードした。 残り時間4分にも力を見せた。敵陣22メートルにできたラックから、デュポンがインゴールへボールをキックで転がし、いち早く反応。ラモスが追いかけて押さえ、31-19と突き放した。そのまま守りきり、勝利した。 トゥールーズはこの試合でもボーナスポイント付きで勝利し、勝ち点20で参加している全24チームで1位を獲得した。アイルランドのレンスター(勝ち点19)、イングランドのノーサンプトン(18)、ボルドー(17)と続く。 しかしこの試合でトゥールーズはFLアントニー・ジュロンを失った。 ジュロンは56分に「膝が動いたような感じ」と訴え、大事をとって交代した。その後の検査で右膝前十字靭帯断裂と診断された。 昨年2月末のシックスネーションズでジュロンは左膝で同じケガを負っている。それから奇跡的なスピードで回復し、昨年9月14日のW杯ウルグアイ戦で復活した。 その後もナミビア戦、イタリア戦、そして準々決勝の南アフリカ戦とすべてスタメンで連戦し、またトゥールーズに戻ってからも10試合に出場し、調子も負傷する前のレベルに上がってきていたところだった。 シックスネーションズに向けて今週から合宿を始めたフランス代表のスコッドにも選ばれていた。フランス代表にとっても大きな損失だ。 そして誰よりも辛いのは本人だろう。1年も経たないうちに再受傷。再び手術を受けてリハビリに取り組まなければならない。今季の復帰は難しいだろう。 また、この試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたメアフーも膝の捻挫を負った。 NZ生まれでオーストラリア育ちのメアフーは、2018年12月に渡仏しトゥールーズの養成センターに入り、翌年の1月にトゥールーズのエスポワールに入団した。 その年の12月にトップ14デビューを果たし、翌年からはトゥールーズの主力メンバーの1人になっている。