ガザへの原爆投下も「選択肢」…イスラエル閣僚が戦慄の発言「ハマス殲滅計画」最悪のシナリオ
「ガザに原爆を投下し相手を殲滅することはありえますか」 「それも選択肢の一つだ」 11月5日に地元ラジオ局『コルバラマ』へ出演したイスラエルのエリヤフ遺産相が、記者の質問に対し発した言葉は世界を震撼させた。核兵器の使用を示唆したのだ。10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマスが戦闘を開始してから1ヵ月余り。状況は「最悪の事態」を招きつつある――。 【閲覧注意】「地獄」という言葉も生ぬるい…イスラエルが猛攻「生々しい戦争の現実」写真 イスラエル軍はハマスが実効支配するパレスチナのガザ地区に連日、空と地上から激しい攻撃を加えている。ガザでの死者数は1万人以上。’08年から繰り返された衝突で亡くなった約4000人を大きく上回っているのだ。 「ハマスは10月7日に突然越境しイスラエルを攻撃しました。領内で1400人以上が殺害され、約200人が人質としてさらわれたのはイスラエルにとって初めての経験です。イスラエルはハマスの奇襲に怒り心頭。 同国のネタ二ヤフ首相は米国の『人道目的の戦闘中断』提案を拒否し、11月3日にこう宣言しています。『我々はハマスを打ち負かすまで戦う』と。ハマスを殲滅するため徹底的にガザを攻撃する姿勢を、あらためて示したんです」(全国紙中東駐在記者) ◆病院に司令部 米国から支援を受け最新兵器を揃えるイスラエルと、ハマスの軍事力の差は圧倒的だ。しかしガザを壊滅させるのは容易ではない。 「ハマスがガザの地下に、網の目のようなトンネルを作っているからです。深さは50mにもなり、壁は分厚いコンクリートで固められています。兵士の居住空間のほか医療設備や武器製造工場まである。食料や燃料は数ヵ月分溜められているそうです。 地中貫通爆弾の使用が有効的ですが、状況は単純ではありません。人質の多くが、地下トンネル内に拘束されていると思われるからです。イスラエルは『ハマスの司令部が病院内にある』と主張しています。多くの民間人負傷者が収容されているガザ最大の医療施設シーファ病院です。イスラエルは同病院の地下にハマスの司令部があるとみていますが、攻撃すれば多くの民間人が犠牲となり国際世論の猛反発は必至でしょう」(同前)