中国、大陸棚にも海洋ブイ設置 岸田政権に仕掛ける「超限戦」レアメタルなど海底資源が標的か 「日本の弱腰が増長させた」石平氏
読売新聞報道 習近平国家主席率いる中国が、岸田文雄政権に「超限戦」を仕掛けてきている。人民解放軍による軍事的威圧だけでなく、駐日大使が「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と恫喝(どうかつ)したうえ、日本周辺海域に海洋ブイを複数設置して、対応を見極めているのだ。読売新聞は5日朝刊で「中国、日本の大陸棚にブイ」「沖ノ鳥島北方」「太平洋では異例」などと報じた。岸田政権は、国民と国益を守り抜けるのか。 【写真】中国が保有する気象観測用のブイ 「超限戦」とは、軍事だけでなく、政治や外交、経済、情報など、あらゆる手段を駆使した、中国による〝限界を超えた戦争〟のことだ。 航空自衛隊による2024年の緊急発進(スクランブル)実施状況を見ると、4月と5月は41回と37回もあるが、うち中国への対応は28回と31回と圧倒的である。 沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海に2日に侵入した中国海警局船2隻は4日、領海外側の接続水域に出た。中国当局船による尖閣周辺での領海侵入は3日連続で今年26日目。中国当局船が確認されるのは196日連続で、尖閣国有化(2012年)後、最長連続日数を更新した。 尖閣周辺の日本のEEZ(排他的経済水域)内では昨年7月、中国が海洋ブイを無断で設置しているのが確認された。日本政府は、日中首脳会談や外相会談などで即時撤去を求めているが、ブイは設置されたままだ。 前出の読売新聞によると、尖閣周辺に海洋ブイを設置した中国当局の大型作業船「向陽紅22」が先月中旬、沖ノ鳥島北方の四国海盆海域内に新たなブイを設置したという。 四国海盆海域は付近に島がなく、日本のEEZにあたらないが、国連の大陸棚限界委員会は12年、沖ノ鳥島を基点とした日本の大陸棚に認めた。この海域の海底には、レアメタルを含んだ鉱物資源が分布している。国連海洋法条約に基づき、日本はこの海域での海底探査や資源開発について、主権的な権利を行使できる。 大陸棚はEEZと異なり、上部水域での海洋調査に沿岸国の同意は要らない。ただ、中国の海洋ブイが海底資源調査などを行っていれば、国連海洋法条約違反の可能性がある。