映画好き歓喜!A24配給の最新2作が相次いで日本初公開!
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斬新な映画話法が注目され、ファン急増のケリー・ライカート。A24配給の最新2作が相次いで日本初公開!『ファースト・カウ』&『ショーイング・アップ』
犯罪捜査官の父と麻薬捜査官の母の間に生まれ、父の捜査用カメラを使って写真を撮り始めたというアメリカの映画作家ケリー・ライカート。1994年の衝撃のデビュー作『リバー・オブ・グラス』が絶賛され、重要監督と注目を集めながら、日本ではなかなか公開の機会に恵まれなかった。しかし2021年にデビュー作ほか珠玉作3本が特集上映され、日本でもその名が広がった。そして今回は、人気の映画会社A24が配給を決めた彼女の『ファースト・カウ』と『ショーイング・アップ』の2本が相次いで公開される。
『ファースト・カウ』
2020年のベルリン国際映画祭に出品された長編第7作『ファースト・カウ』の舞台は、“征服のはじまりの時代”1820年のアメリカ・オレゴン州。毛皮猟師の一団の料理人クッキーと中国人移民のキング・ルーという心優しい男2人が意気投合し、2人でアメリカン・ドリームを抱く。その土地に初めて連れて来られた雌牛にヒントを得て、彼らの商売は順調に運ぶかに見えたが……。 『ファースト・カウ』 12月22日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
『ショーイング・アップ』
そしてカンヌ国際映画祭で上映された最新作『ショーイング・アップ』は、特集『A24の知られざる映画たち』の中で特集上映される。やはりオレゴン州ポートランドが舞台。ライカートと4度目のタッグとなるミシェル・ウィリアムズが演じる主人公は、美術学校で働きながら、来週の個展準備中の彫刻家リジー。大家のジョーに給湯器を直してほしいと何度も頼むが、『ザ・ホエール』(2023年)出演のホン・チャウ演じるジョーもまたアーティストで、個展に向けて忙しい。そんな2人の関係を軸に、周囲のアーティスト仲間や家族との関係が淡い光の中に綴られてゆく。ライカート監督はこの2作の製作中、溝口健二監督作『雨月物語』をよく思い浮かべていたという。そう聞いて2作を見てみると、なるほどと思わせる符号に気づくだろう。 『A24の知られざる映画たち presented by U-NEXT』 12月22日(金)より、『ショーイング・アップ』やティルダ・スウィントン主演の『エターナル・ドーター』等、計11作品が、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほかにて4週間限定ロードショー BY REIKO KUBO