スウィングの土台となる「グリップ」、ちゃんと握れていますか?
「ゴルフにおいては、スウィング中にグリップの形や力感が変わることが、スウィングを乱す大きな要因です。握りの形が変わればフェースの向きや体に対するクラブの位置が変わってしまいますし、力感が変わると軌道もタイミングも乱れる。プレッシャーがかかる場面ではこれが顕著に表れるため、そういった力感や形状の変化が起こらないことがいいグリップの条件なんです。そのため『いいグリップ』に見えるのは、見るからにそれが“起こらなそう”な握りということになります」 最初から力んでいる握りは、スウィング中でも力むか、反対にどこかでゆるみやすい。形に隙間がある握りは、それによって手の中でクラブが動きやすいし、その隙間をスウィング中に埋めようとして力むことにもつながるというわけだ。
<いいグリップの要素> ①:形が不変 握りの形が変わってしまうと、フェースの向きやクラブのポジションが変化しミスの原因となるので、スウィング中に握りの形が変わらないことが重要。 ②:力感が不変 スウィング中にグリップの力感が変わると、軌道やタイミングが乱れる。とくに切り返しで変化しやすいので、握りの強さが変わらないことも大事。
手先の器用さを抑制するための握り
スウィング中に「手が何もしない」握りこそがいいグリップだというのが中井プロの考え。これはそもそもゴルフのグリップの形を考えれば自明だという。 「ゴルフのグリップは、明らかに異様な握り方をします。最初に教わったときに違和感のなかった人はいないのではないでしょうか。これはなぜかと言えば、手が余計なことをしにくいように意図的に変な形にしているからです。手のひらに直角ではなく斜めに握るのはクラブのライ角を保つためですし、オーバーラップにせよインターロックにせよ、右手の小指を浮かせる形は右手に力が入りにくくするため。親指や人さし指の形も、手先を器用に使いにくくするための工夫です。その意味では、その意図である『手が不器用そう』なグリップこそ、いいグリップと言っていいかもしれません」 ではアマチュアはなぜ「いいグリップ」で握れないのか。それには2つの側面がある。1つは、この違和感に負けて最初からいいグリップを習得できなかったケース。もう1つはスウィング自体に問題があるのを、手先を器用に使ってごまかしながらスウィングしているケース。いずれの場合も、上手くないことの証明になってしまっているのだ。