巨人の戸郷翔征が制球難、直球も150キロに届かず…杉内コーチ「こういう日もある」
プロ野球は21日、リーグ戦が再開した。セは、首位の広島が中日に零封負け。阪神はDeNAにサヨナラ勝ちし、巨人はヤクルトに敗れた。パは、1位のソフトバンクがロッテに快勝した。
ヤクルト4―2巨人(セ・リーグ=21日)――ヤクルトは一回に長岡の適時打で先制し、山田のソロなどで小刻みに加点した。吉村は八回途中無失点の好投で、5月17日以来の5勝目。巨人は反撃が遅かった。
再開したリーグ戦で、最初の先発マウンドに上がったのは、開幕からローテーションの先頭に立ち続ける巨人・戸郷だ。「首位とのゲーム差を詰めることが一番。チームの雰囲気もだいぶ良くなってきた」と意気込み十分だったが、球威、制球ともに本来の姿ではなかった。
いきなりつまずいた。一回、先頭の西川に初球を右中間への二塁打とされ、犠打で一死三塁。長岡に落ちなかったフォークボールを中前にはじき返され、わずか4球で先制点を奪われた。「初回に点を取られたことが全て。後手後手に回りすぎた」。立ち直ることができないまま、四回は二死から山田にソロを浴び、六回は暴投が絡んでスクイズを決められた。
夏に向けて調子が上向いていくと自負する戸郷が3点以上を失ったのは、5月3日の阪神戦以来。直球の球速は150キロに届かず、武器であるはずのフォークやスライダーの制球にも苦しんだ。戸郷は「勝負所でいい球を持ってくることができず、試合運びが難しくなった」と課題として受け止めた。
杉内投手チーフコーチは「1年間投げていれば、こういう日もある。(その時に)どう投げていくか」とした上で、「求めているものはもっと上だから、納得はしない」と指摘。6回3失点とはいえ、初回にあっさり先取点を失った右腕に奮起を促した。
「とても悔しい結果になった。次につなげられるように、またやっていく」と戸郷。失敗を糧にしながら、どんな状態でもチームを勝利へと導くエースを目指す。(井上雄太)