ブーフーウー、16日に最後の「おはなしのかい」 読書の楽しさ伝えて29年【宇部】
宇部市のおはなしの会・ブーフーウー(吉永美也子代表、7人)は、メンバーの高齢化を理由に会を閉じることを決めた。16日午後2時から野中5丁目の吉永代表(91)の自宅で、最後の「おはなしのかい」を開催。手作り人形による劇、市内に伝わる昔話の紙芝居などを披露し、29年間の活動に幕を下ろす。 会の結成は、学校の週休2日制が月2回実施となった1995年。小学校教諭を早期退職していた吉永代表は、共働き家庭の子どもが土曜をどう過ごしているのか気がかりで、自宅を会場として在職中の先生2人と共に読み聞かせをするようになったのが始まりだった。会の名称は、誰もが知っている物語「3匹の子ぶた」の3兄弟の名前から付けた。 隔月開催のおはなしのかいには、徐々に子どもたちが増え、大学院幼児園の学童保育の子どもたちも参加するようになって、毎回20~30人が楽しむ集いに発展。メンバーには絵が上手な人、裁縫が得意な人が加わり、手作りの人形劇や紙芝居、ペープサート(紙人形劇)、パネルシアターの上演など内容も充実していった。保育園や小学校、特別支援学校、寺院などへの出張公演も増加し、2019年には県教育長から読書活動に関する表彰を受けた。 しかし、コロナ禍で活動を休止した間に、それぞれが高齢化を実感。70~90歳代のメンバーでは、出張公演のために大型の舞台装置を運搬することなどが困難となり、会の幕引きを決断した。 これまでに吉永代表宅で開催したおはなしのかいは143回。出張公演を入れると活動回数は430回に上る。吉永代表は「話に聴き入る子どもたちの真剣なまなざしと笑顔を励みに続けてきた。脳梗塞を患った時、『オオカミ役のおばちゃん、早く元気になって』と励まされたのが忘れられない」と回想。「楽しく良い本に接し、大人になっても読書に親しんでほしい」と願っている。 最後となる16日は、人形劇「3匹の子ぶたと花言葉」、地元の昔話の紙芝居「馬の恩返し」を上演。本の読み聞かせや手品も行う予定。