ジェイソン・モロニー（右）とトレーナーのアンジェロ・ハイダー氏

　ボクシングのWBO世界バンタム級タイトルマッチ（5月6日、東京ドーム）で同級5位の武居由樹（27＝大橋）と2度目の防衛戦を行う王者ジェイソン・モロニー（33＝オーストラリア）が30日、都内の帝拳ジムで練習を公開。視察した武居陣営の大橋秀行会長は、モロニー陣営が武居についてトリッキーなどと語ったことを「よかった」とプラスに受け止めた。 　この日のモロニーは軽めのシャドーボクシングを披露したのみ。大橋会長は、モロニーが2020年10月に米国で、門下のスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥と対戦した（井上の7回KO勝ち）経験があることから、「今日の1ラウンドだけでは分からないけど、相当な実力がある」と評価した。 　モロニー陣営が報道陣の取材でK―1出身の武居について「普通とは違うパンチ」「トリッキー」などと語っていたことを「トリッキートリッキーと言うけど、あいつの強さはトリッキーじゃないから。やっぱり基本的なパンチが強い」と否定し、「ちょっと油断しているのか、間違えているのか、そこはよかった」とニヤリ。「相性はばっちりじゃないかな。距離感も同じだし、面白い試合になると思う」と期待した。 　また、武居を指導する八重樫東トレーナーは、モロニー陣営が「こちらが警戒するのではなく、向こうが警戒することだ」などと語っていたことに「その通り。僕たちが作っていく方。そこでモロニー選手にとってのサプライズがあればいい。思考の上をいかないと勝てない」と自覚。「世界タイトルマッチは引き算。積み上げるのではなく削ることをやってきた。一本の尖ったものを作ってきたのでそれをぶつける感じ。今日の練習ではわからないですけど、数少ない穴はあると思う」と戦略を思い描いた。