シャマラン監督「観客が一斉に驚がくして息をのむ姿は監督冥利に尽きる」 「トラップ」撮影秘話
「シックス・センス」「オールド」で知られるM・ナイト・シャマラン監督の最新作「トラップ」(公開中)の特別映像が披露された。シャマラン監督、主演のジョシュ・ハートネットが撮影秘話を語っている。 【動画】「トラップ」特別映像 ハートネットが演じる主人公のクーパーは、溺愛する娘ライリーのために、彼女が今夢中の世界的アーティスト、レディ・レイブンが出演するアリーナライブのプラチナチケットを手に入れる。最高の席にライリーは大感激、遂にライブが幕を開ける。 大観衆が熱狂する中、クーパーは異変に気付く。会場内に異常な数の監視カメラが設置され、300人の警官が怪しげな観客を連行している。ショップ店員に探りを入れると、「ここだけの秘密」だと、世間を恐怖に陥れている切り裂き魔がライブに来るというタレコミがあり、このライブ自体が仕組まれたトラップだと教えてくれる。その謎に満ちた殺人鬼こそ、心優しき父親にしか見えないクーパーだった。 シャマラン監督の集大成である本作は、公開後から「色んなミスリードの種が散りばめられててしてやられた」「後半はかなり捻りが効いた展開を見せ、まだやるかまだやるかの2段構え3段構え」「意外な展開になる後半はシャマランの本領発揮」など、SNSで映画ファンを中心に反響を巻き起こしている。 「顔は笑ってるのに目は全く笑わず常に次の一手を冷静に探るジョシュ・ハートネットの表情の演技がとにかく素晴らしい」など、ハートネットの演技にも絶賛の声が続出。予測不能の展開には、「最後まで緊迫感が続く作りは流石シャマラン」「シャマランの新機軸という感じがして面白かった」と、集大成にして新たなフェーズに踏み出したシャマラン監督を高く評価するコメントもあった。 特別映像は、撮影の舞台裏をキャストやスタッフが語る、メイキングシーン満載の内容。ハートネットは、FBIをも騙す切り裂き魔になるために「救いようがない彼の心の内を理解しようとしました。精神的にギリギリの彼を表現しようと連続殺人犯に関する本も読みました」と振り返る。 シャマラン監督はフィルム撮影にもこだわっており、「私がライブ映画みたいに引いたり寄ったりしないのは、観客に作品の役と同じ心情を感じ取ってほしいからです。作品を見ている間は不快感に没入してほしいんです。『ウソ!そんなことを?』と観客が一斉に驚がくして集団が息をのむ姿は監督冥利に尽きますね」と話している。 特別映像とあわせて、シャマラン監督が映画製作について語るインタビューも披露された。 Q:30年以上も撮り続けていながら、なぜ常に新しいと感じられる映画を作れるのでしょう? 映画製作の魅力は新しさです。新しいアイデアを思いつくと、作品に取り入れようと思い気持ちが高揚します。次回作に向け心が突き動かされるんです。全く新しいことをどう達成しようか?とね。面白いことを実行するにはある程度のリスクは必要です。2年程度を費やす覚悟もね。 Q:苦しい時期や困難もある中で、なぜ映画製作に魅了されるのでしょう? ランチ中にジョシュから面白い質問をされました。「落ち着きたい時や楽しみたい時に何をする? 現実逃避に何をする?」とね。好きなことや趣味を聞かれたと思って、考えてから「映画製作だ」と答えました。ジョシュは「そういうことじゃなくて仕事から離れたい時の話だ」と。「映画製作だ」とまた答えました。おかしな回答ですが私は幸せ者だと思います。心が落ち着き、幸福を感じられる仕事をできているのですから。もちろん大きな困難や挑戦的なことやストレスもあります。しかし、次の作品の脚本を書き始めれば幸福を感じて心が落ち着いてきます。喜びの繰り返しなんです。面白い仕事の中で生活できて幸運ですよ。