イスラム組織「ハマス」が人質解放交渉を中断 イスラエル軍のシファ病院への攻撃理由に~ロイター通信
イスラム組織「ハマス」が、パレスチナ自治区ガザ地区のシファ病院に対するイスラエル軍の攻撃を理由に、人質解放交渉を中断していると12日、ロイター通信が伝えました。 パレスチナ自治区ガザ地区で最大の医療機関・シファ病院は、燃料が切れ、機能を停止したと伝えられています。 イスラエルのネタニヤフ首相は12日、アメリカのNBCに対し、「燃料を提供しようとしたが、ハマスに拒否された」「患者を移動できるよう、野戦病院の建設や病院船の派遣を国際社会に働きかけている」と主張しました。 こうした中、ロイター通信は、イスラエル軍によるシファ病院への攻撃を理由に、ハマス側が人質解放交渉を中断していると伝えました。 イスラエル軍が、ハマスの司令部があるとしてシファ病院への包囲網を狭める中、今後もハマス側が人質を使い揺さぶりをかけてくる可能性もあります。 イスラエル軍はシファ病院への攻撃も包囲も否定していて、12日には、シファ病院から南部に続く道への安全な避難経路を示して退避を呼びかけました。命の危険があるとされる乳児を避難させる支援を行うともしています。 これに対し、ガザ地区保健当局の報道官は12日、シファ病院にいる650人の患者を避難させることは絶対に不可能だと訴えました。 こうした中、燃料切れにより電源を失ったガザ地区の別の病院では、医師らが手動の蘇生装置を使って、乳児の救命措置を行っています。この乳児は一命を取り留めたということですが、ガザ市の主要病院が相次いで機能を停止し、現地の医療状況は日増しに悪化しています。 写真:ロイター/アフロ