“統合宣言”から1年もサウジファンドとの交渉はブラックボックス…ウッズ、マキロイら中心メンバーと他の選手に溝!?
具体的なことは何も読み取れない“声明”に肩透かし
ダン氏が言った「別の集団」とは、ウッズらが、いつの間にか立ち上げていた「交渉分科会」を指している。 この交渉分科会は、PGAツアーの理事会とは別に、PIFとの交渉のために創設されたもので、構成メンバーはウッズ、マキロイ、スコットの3選手とモナハン会長、元選手で現在は経済アナリストのジョー・オギルビー、それにSSGを構成する2社のビジネスパーソン2名を含めた合計7名とされている。 先週のメモリアル・トーナメント開幕前、米メディアの取材に答えたマキロイは、交渉分科会のメンバーとPIFのルマイヤン会長の初会合が6月7日にニューヨークで開かれること、マキロイ自身は試合出場中のため、リモート参加することを明かし、こう語った。 「リブゴルフの勢いが衰えるとは思えない。彼らはNYにオフィスを構え、200名以上の従業員が働いている。選手たちは2028年、29年まで契約を結んでいるんだ。(今回の交渉で)実りが得られるとすれば、それは(僕ら選手が)両方のツアーで戦える状況を作り出すことだろう。ルマイヤン会長にとっては、巨額投資のリターンを得ることが第一。リブゴルフの選手たちは、年間14試合以外は自由時間。そのあたりの折り合いをどうつけるかだけど、その交渉は、タイガーやアダムや僕ではなく、モナハン会長らビジネスパーソンが行なうべきで、僕らは交渉役というよりは聞き役だ」 そして、交渉分科会とPIFのルマイヤン会長との初会合は予定通り、7日の午後にNYで行なわれ、同席した分科会メンバーで経済アナリストのオギルビーによると、「ミーティングは約3時間。でも最初の1時間半はあいさつ。和やかで実りある会合だった」そうだ。 PGAツアーからも声明が出され、誰もが強い関心を抱きながら見入ったのだが、声明を一読した誰もが肩透かしを食らった感に襲われたことだろう。 「ここ数カ月、PGAツアーとPIFとの交渉は加速されてきた……金曜日の夜、両者はNYで初会合を開き、より一層前進した。これからもプレーヤー、ファン、パートナー企業、ゴルフの未来のために、私たちは交渉を続けていく」 そして、この初会合にリモート参加したマキロイも「今回のミーティングは、とても生産的で建設的で協力的だった。正しい方向へ進んでいる。前進している」と語った。 しかし、どんな交渉が行なわれ、どんな意見が交換され、どんな課題が浮上したのか。具体的な内容が一切公表されなかったことは、ビジネス交渉においては、ある意味、当然なのかもしれないが、直接的な利害が絡む選手や関係者にとっては先行きが心配でたまらず、不満や不安は広がるばかりだ。