FANTASTICS、アルバム『FANTASTIC ROCKET』チャート上位 シルキーなボーカルをいかした秀作
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/ja/w/2023-12-18/ 2023年12月18日付(2023年12月12日発表)のオリコン週間アルバムランキングで首位を獲得したのはHey! Say! JUMPの『PULL UP!』で推定売上枚数は199,895枚だった。続いて、FANTASTICS『FANTASTIC ROCKET』が106,254枚で2位。さらに、およそ2万枚差(87,422枚)で3位にATEEZ『THE WORLD EP.FIN:WILL』がランクインしている。ほか、トップ10圏内の初登場作品としては、4位 ONE N' ONLY『You are/Hook Up』(29,774枚)、8位 CRAVITY『Dilly Dally』(16,631枚)、9位 ŹOOĻ『Źquare』(15,218枚)、10位 羊文学『12 hugs (like butterflies)』(6,138枚)があった。 【写真】ライブで魅せるFANTASTICS さて、今回取り上げるのはFANTASTICS『FANTASTIC ROCKET』。2年半ぶり、3枚目となるアルバムだ。 アルバムの冒頭をかざるのは、The Weeknd「Blinding Lights」の超ロングヒット以降すっかりダンスボーカルグループの定番となった、80’s調のエレポップにドラムンベースのニュアンスを加えて現代的に仕上げるスタイルの「STARBOYS」。続く「Summer Bike」は(これはもともと2022年のシングルだが)もっと直球で「Blinding Lights」的なエレポップ。という具合にオープニングこそ派手だけれど、全体としてはシルキーなボーカルをいかしたR&Bテイストのダンスポップやバラードが並ぶ秀作だ。 たとえば2022年にシングルとしてリリースされた「Choo Choo TRAIN」の非常にオーセンティックに勘所を押さえたカバーは、新鮮味こそないかもしれないがとても良い。流麗なストリングスやブラスのニュアンス豊かできらびやかなサウンドが心地よい。ほかにも、クラビネットのファンキーなフレージングがいいアクセントになっているディスコブギー調の「Tell Me」や、ピアノを中心にベースとブラスがグルーヴを引っ張る「サンタモニカ・ロリポップ」も、メロディアスななかにほんのりとビターな雰囲気をまとわせていて渋い。 間を生かしたグルーヴと歌メロが印象的な、クワイアも顔をだすゴスペルテイストのバラード「It's all good」は、こてこてとドラマチックな(それはそれで味わい深いのだが)「Maybe In Love」や「Escape」とは一味違うほっこりとした親密さを漂わせていてこれも良い。 しかし全体的に、高域の抜けが少し悪く、また一つひとつの音の立ち上がりがやや鈍って感じてしまった。「Choo Choo TRAIN」の生っぽいグルーヴとゴージャスなサウンドの厚みには合っているかもしれないが、「Tell Me」「サンタモニカ・ロリポップ」は少しもっさりしていてもっとビートがタイトに鳴っていたらマッチしそうだ。「PANORAMA JET」のようなエレクトロニックなサウンドは必要以上にのっぺりと聴こえてしまう。間を生かした「It's all good」もメリハリが足りなく感じる。 といってもこれはFANTASTICSのこの作品だけがとりわけそうというわけではなくて、LDHのグループには割とそういう傾向があるように思う。どうもそこがもったいない気がしてしまう。パフォーマンスもスタイルも決まっているならサウンドもばっちりハマってほしい! と、いちリスナーとしてわがままを言わせてもらいたい。
imdkm
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