ラジオ復帰15年 吼えるコンちゃん近藤光史アナの生き方
8年ぶりのラジオ復帰「しゃべりた虫が体にわいて...」
そして同年10月2日に新番組「こんちわコンちゃん2時ですょ!」でラジオパーソナリティとして復帰。筆者の「8年ぶりということは緊張しましたか?」という問いに「緊張はしない。当時の社長に『おまえもう、ほんまに10年選手みたいな顔をしとったなあ』と言われました」と即答した。
そう、その時緊張はまったくなかった。それよりも、大学を卒業してタヒチに行くまでの23年、アナウンサーをしていたが、タヒチではフランス語しか話しておらず、8年しゃべることがなかった。そのため、体中に「しゃべりた虫」がわいていたため、8年ぶりに放せるうれしさでいっぱいだったという。後に番組は現在のタイトルとなり、今年で放送開始から15周年を迎えた。 還暦を迎えた時には、自身が心筋梗塞となり入院のため番組を休んだ。還暦といえば、自身の父親がその年で心筋梗塞で亡くなった。その思いから「男って親父の年を超える時ってなんかもってるんです。だから、たまたまその年に心筋梗塞を起こして...」だが、約2か月の闘病生活を経て番組へ復帰した。 「あの時はこれでしゃべる仕事もでけへんなぁと思った。ようやく復帰できて、最初はドナルドダックの親せきみたいな声でした。元の美声はちょっと違いますけどね(笑)」。リスナーや仲間からの「よう帰って来た」の声もとてもうれしかったという。
ラジオ復帰15年「辞める気はないですね」
私生活では2013年に34歳年下の女性と4度目の結婚を果たし、番組でもリスナーや仲間らから多くの祝福を受けた。なれそめは、通っていたクリニックの看護師だった女性と知り合い、女性の退職を知ったときに「いっぺんご飯でも食べましょう」と誘った1か月後に連絡があり、交際をスタートさせ、後に結ばれた。女性はリスナーでもなく、患者と看護師として接していた。 筆者の「奥さんに支えられて...」との質問には「支えてやってるんです。私が支えてやってるんです」と腕組みをしながら話すコンちゃん。だが、だれが見ても「とてもうれしそう」なのは、ほかの話にはなかったほどの「満面の笑み」を見れば分かる。 この明るくて、かつ物怖じしないスタイルがリスナーの心をがっちりとつかんでいるのだろう。最後に「これからも(番組を)続けていかれますか」との問いには「辞める気はないですね。ええ、浜村(淳)さんがお辞めになった時は考えよかな」とすぐに笑顔でジョークを返すなど、終始ラジオそのままの雰囲気をふりまき周囲は笑いに包まれた。「ありがとうございましたー」とその勢いのまま同局を後にし、元気に次の仕事場へと向かっていくコンちゃん。筆者はその背中を見て「これから何年も吼えて、リスナーを楽しませてくれるやろな」と確信した。