スペースノットブランク「光の中のアリス」新キャストに伊東沙保&東出昌大
「小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク『光の中のアリス』」が、11月1日から10日まで東京・シアタートラムで上演される。 【画像】上段左から荒木知佳、伊東沙保、古賀友樹、東出昌大、下段左から松原俊太郎、小野彩加_中澤陽。(他3件) 「光の中のアリス」は、松原俊太郎が作、小野彩加 中澤陽 スペースノットブランクが演出を担い、2020年に初演した作品。今回は初演に続き、荒木知佳と古賀友樹、演出を兼務する小野彩加と中澤陽が出演するほか、伊東沙保と東出昌大が新キャストとして加わる。 上演に向け松原は「われわれのおとぎ話、われわれの生、われわれの舞台。翻って問われたのは、終止符のように援用されがちな『現実』とは何か、否定とともに容易に持ち出される『現実』に直面したとき、果たしてどんな(リ)アクションが可能か。でした。4年が経ちました。目に見える変化と、目に見えない変化と、変わらない何かとが、それぞれすべてのクライマックスのごとく舞台上に上げられることでしょう。お見逃しなく」とコメントした。 チケットの一般販売は、9月28日10:00にスタート。なお本公演は、すべての回に英語字幕が付くほか、11月4日14:00開演回と6日19:00開演回は、舞台手話通訳付き上演となる。松原の全文コメントと、荒木、伊東、古賀、東出のコメントは以下の通り。 ■ 松原俊太郎コメント 戯曲「光の中のアリス」は、2020年スペースノットブランク演出によりロームシアター京都で初演されました。 当時を生きる私の頭の中には、「こんなご時世に、舞台で、おとぎ話とは?(何事?)」といった問いが浮かんでおりました。 橋本治「チャンバラ時代劇講座」によると、日本映画は「ファンタジーが下手」で、逆に「現実と四つに組んだとき、一番の美しさを発揮する」そうです。そんな「ファンタジー」をこの国でうまくやっていたのは、映画でも演劇でもなく間違いなくアニメでした。アニメのような舞台ではなく、舞台をアニメートさせること。そんなことが可能だとして、それはどんな状態なのか。 想像力の限界をひしひしと感じつつ執筆しているさなかに参照したマーティン・ガードナー「詳注アリス」の序文には、「我々の生など説明不能な死刑宣告を受けて踊り狂うどたばた劇でなくて何か」とありました。窓の中に目を向けてみると全世界が新型のウイルスに翻弄されている真っ只中でした。 われわれのおとぎ話、われわれの生、われわれの舞台。翻って問われたのは、終止符のように援用されがちな「現実」とは何か、否定とともに容易に持ち出される「現実」に直面したとき、果たしてどんな(リ)アクションが可能か。でした。 4年が経ちました。目に見える変化と、目に見えない変化と、変わらない何かとが、それぞれすべてのクライマックスのごとく舞台上に上げられることでしょう。お見逃しなく。 ■ 荒木知佳コメント 私は今までスペースノットブランクの作品に10作品ほど出演してきました。参加するメンバーによって、クリエーションでの空気や、完成する作品が違うものになっていて、毎回参加していておもしろいなと感じています。 今回もまた新しいチームが結成されました。ここにいる人たちで、どんな空気が生まれて何ができあがるのかとてもワクワクします。 また、スペースノットブランクの作品に出演すると今の自分を確かめられるような気がしています。今の自分は何に興味があって、何を考えているのか、どんな体でどんな動きをするのか、今回の作品でまた見つけられるのが楽しみです。 「光の中のアリス」の初演は、とにかく動いて動いて喋って動いてだったので、今からランニングと筋トレをし、よく寝てよく食べて、準備をしていきたいと思います。 そして、観ていただく皆様には、一緒に歌いたくなるような、そんな作品になれたら良いなと今は勝手に思っております。 どうぞよろしくお願いいたします。 ■ 伊東沙保コメント スペースノットブランクの作品、どうやってつくってるんだろうと常々思っていました。観ているうちに、もう考えるのは置いておいてとりあえず浴びよう、と目に耳に入る情報をひたすら摂取する幸せな時間になって、終わる頃にはもっとずっと続いてくれと願うのでした。 その仕組みを知れるぞ、と喜んでいます。松原俊太郎さんの言葉を口に出せることも喜んでいます。励みます。 ■ 古賀友樹コメント こんにちは。古賀友樹と申します。 はじめましての方もたくさんいると思うので、僕が僕で僕なんだ、って思うことを書こうと思います。 舞台には神さまがいる(いたよ)って話をします。 2020年の12月、わたしは京都にいました。 そして今日は「光の中のアリス」の最後の上演回です! おつかれさま! このお芝居、台詞量もさることながら、運動量もすごい。わたしは舞台上でダイブすることが多く、さながらシャトルランの気分です。 いつものようにシャトっていると、なんと! 床に手をついた瞬間に!! 指と手の甲がくっついてしまった!!!(((気がする))) 要はダイブの弾みで指が逆側にぺっちゃんこになった、そう感じたわけです。これはやばい! 急いで手元を確認して、うん、今のところは異常なし。指も、動く。あー、これきっとアドレナリンで、この後のシーンでめっちゃ腫れるんだろうなぁ。お客さんドン引きじゃん。痛すぎて続けられなかったらどうしよう。 でも。 次のシーンも。 その次のシーンも。 その次の次の次のシーンも、終わってからも。 「痛くない!」 もう、本当に良かった。絶対ピシャ、ってなったと思ったのに、勘違いだった。 でもこの時ばかりは普段ちっとも思いを馳せることのない神さま、舞台の神さまに感謝した。本当にありがとう! 残機まだ1残ってた! これが舞台に神さまがいたよーって話です。 でもまあ、冷静に考えて神さまとかじゃなく保険に入るべき。保険は手厚く僕を守ってくれるから。てかそもそも保険入ってたかもね? ちょっとわかんない、今これを書きながらそんな気がしてきました。 みなさまも、いつもやってるからと油断せず、少しでも危険が伴う運動には気をつけてくださいね。椅子に登って物をとる時とか。 それでは、劇場でお待ちしております! ■ 東出昌大コメント 「お芝居とは」「演じるとは」「演劇とは」「生きているとは」どの問いに対しても一言で「これこれこう言うものです」と答えられるものは無いのではないでしょうか。でもみんな忙しいから、問いを芽生えさせないし、物事を分解、精査、言語化などしないで日々を生きていると思います。言語化出来る人が偉いとか素晴らしいという話では勿論なく、意識せずに、再認識せずに、掘らずに生きている。しかし、忙しさにかまけて流れ続ける時間に、事象に、世界に疑問を持たないと、生きている心地が知らぬ間にポロポロと剥がれ落ち、日々がつまらなくなってしまうのではないでしょうか。 スペースノットブランクのお二人はとにかく掘る。考える。悩んでも、真摯に向き合う。逃げない。 「諦めないことだけが取り柄」の私が参加したら、その先にどんな景色が見えるのか。 一緒に物作りする時間と完成させる作品を、楽しみにしております。 ■ 小野彩加 中澤陽 スペースノットブランク「光の中のアリス」 2024年11月1日(金)~2024年11月10日(日) 東京都 シアタートラム □ スタッフ 作:松原俊太郎 演出・出演:小野彩加 / 中澤陽 □ 出演 荒木知佳 / 伊東沙保 / 古賀友樹 / 東出昌大 ※全回英語字幕付き上演。一部公演は舞台手話通訳付き上演となる。18歳以下割引あり。